序
この国が首都の機能を分散させたのは、僕がまだ子供の頃だった。
大阪では”祝!大阪都誕生”とお祭りムードで、便乗グッズがたくさん発売された。
大阪都まんじゅうに、大阪都丼、大阪都たこ焼き、等々。セールにまで、大阪都記念セールと名前が付けられた。
子供心にも、これは何か大きな事が起こったのだと感じたものだ。
大阪に移された首都の機能は「経済」で、俗称”商都”と呼ばれた。何の冗談か、単なる語呂合わせか、笑いという文化を保存、伝承していく機能も与えられ、”笑都”とも呼ばれた。
ちなみに、北海道が農業の生産と作物の流通や国土に関する機能(いわゆる幅広い意味での土関係)を与えられ”農都”、沖縄県が漁業の生産と流通や、海に関する全般(いわゆる水関係)の”海都”となった。
京都を日本の伝統文化の保存伝承の”和都”にしようという運動は未だに続いているようだが、そこまで細分化すると全ての府県が何らかの都になってしまうから実現は難しいだろう。現に、町おこし感覚で、うちの県も是非と言い出す県もあるようで、京都が運動によって都に昇格するかどうか注目を浴びている。
東京はもちろん、今でも首都だ。政治経済全般と商都、農都、海都との連携等、日本の中心としての機能を果たしている。商都などの俗称に呼応し、こちらは”本都”と呼ばれている。いまでも「本当の本都は東京都」というオヤジギャグを言う人間がいるが、もちろんそんな駄洒落ではなく、「本部と支部」の本部の意味と思ってもらえれば解りやすいだろう。
北海道も沖縄県も、都となってからも、名称は北海道、沖縄県のままだ。
北海都、沖縄都になったりしない。しかし、そこは大阪。
大々的に大阪都という名称を至る所で採用した。
「おおさかと」では呼びにくいということで、「ダイハント」と読む。
何だかこれもまた大げさな名前だ。今でも昔の人間は「大阪府」と呼んでいるし、正式名称も「大阪府」なのだが。
そんなお祭り好きで、お調子者たちの大阪だが、良い所もあるのだ。あきれる気持ちもわかるが、まあ取り敢えず本を閉じずにいてもらいたい。
昔からある観光地もリニューアルしながら現存している。今回はその中からいくつかの場所を紹介したいと思う。
残念ながら、一番に紹介を予定していたUSJが現在、報道でご承知の通り、ターミネーターの叛乱により、閉鎖されている。この本に載せることを自粛せざるをえない。
しかし、それ以外にも魅力的な場所はたくさんある。いつかUSJも復活し、ご紹介できることと思う。
では観光ガイドマップをひもとく気分で、いくつかの話を聞いていただけたらと思う。
