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慣れが壊すもの。丁寧さが守るもの。

「大切にする」って、
言葉にするとすごくシンプルなんですよね。
でも実際は、
一番むずかしいテーマやと思います。


人との関係
自分の気持ち
習慣
仕事
信じていること


どれも「大切にしているつもり」で、
気づけば後回しになったり、
雑に扱ってしまうことがあります。


飲食店って、
ほんまにその象徴みたいな場所なんです。


開店前は
「料理で人を笑顔にしたい」
「また来たいと思ってもらえる店にしたい」
そう決意して始めるはずなんですけど、
毎日の営業に慣れてくると
変わってくることがあります。


忙しい日が続いたり、
スタッフとうまくいかなかったり、
売上が気になったりすると、


「大切にしてきた基準」より、
「こなすための作業」になってしまうんです。


本当は大切にしたいのに、
気づけば流れ作業になってしまう。
でもその違いって、
少し胸が痛くなるんですよね。


ある焼肉店の話です。
開店して間もないころは、
ホール担当のスタッフが
一人ひとりのお客様に

「今日は何かご予定あったんですか?」
「前に頼まれていたカルビ、
気に入っていただけました?」

そんなふうに声をかけながら
接客していました。

でも来店数が増えて
忙しさが当たり前になってきた頃、
同じスタッフがこう話すようになったんです。

「ご注文お決まりですか?以上ですね。」

もちろん悪いわけではありません。
ただ、
その人ならではの接客が
なくなった瞬間でもありました。


本人は変わった意識なんてないんです。
でもお客様は敏感なんです。

「あ、この店前とちょっと違うな。」

人は細かい変化ほど気づきやすいものです。
特に「大切にされてる実感」がある場所ほど、
その変化は心に残ります。


人でも仕事でも、
自分のことでも、
大切に思っているだけでは届きません。

形にしないと伝わらないんです。

料理でも同じです。

「美味しいものを届けたい」
これはただの願望です。

でも、

・味見の時間を省かない
・食材の扱いを丁寧にする
・当たり前の工程ほど気を抜かない


こういう姿勢が、
本当に大切にしている証拠なんです。


大切なものほど、
慣れや忙しさで雑になります。

大切な人ほど、
近くなると当たり前になります。

大切な夢ほど、
「いつかやろう」と置きっぱなしになります。

本当は大切にしたいのに、
日常に流されてしまうんですよね。


多くの人はこう言います。

「お客様を大切にしたい」
「人間関係を大切にしたい」
「仕事を大切にしたい」

でも順番があります。

一番最初に大切にすべきなのは、
自分自身です。

自分の心、
自分のペース、
自分の信念を雑に扱ったまま、
周りを大切にしようとしても
バランスが崩れます。


飲食店なら、
自分が疲れ切っているのに
完璧な接客や料理をしようとしても、
表情、声、空気に疲れが滲みます。


料理は味だけじゃありません。
空気も表情も姿勢も含めて
提供しているものなんです。


じゃあ、どう大切にすればいいのか?

特別なことは必要ありません。

答えはとてもシンプルです。

毎日、丁寧に扱うこと。


自分の気持ちも、
人との会話も、
料理も、
道具も。

「ありがとう」を惜しまないこと。

相手にも自分にも。

慣れたときこそ初心に戻ること。

忙しい時こそ、自分に問いかけてください。

「雑になってる自分」に気づく余白をつくること。

深呼吸ひとつでも良いです。
1分立ち止まるだけでも軌道は戻ります。

「大切にする」って、
特別なことに見えますが違います。

普段の態度にこそ出るものです。

派手な出来事じゃなくて、
いつもの行動、
いつもの言葉、
いつもの姿勢。

それを続けた先に、

「この店、落ち着くな。」
「この人、信頼できる。」
「この仕事、意味がある。」

そう思える瞬間が生まれます。

大切にするとは、
すごいことをすることではなく、
雑にしない選択を積み重ねること。

それだけで、
人も店も、
自分自身も変わっていきます。

そしてその変化に一番最初に気づくのは、
きっと自分自身です。



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