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【詩】音楽の残像

音楽の残像
    ––音楽を希望に置き換えてください––

音楽はときおり湯気になる
濃淡をくゆらせながら
宙にまみれてゆく湯気に
それらはきりんに似ているし
瓶に似ている
でも、きりんにならなかったし
瓶にもならなかった
あらわれては消えてゆく間
影の群れをまとって

音楽はブラインドカーテンの
隙間に溜まっている
折り畳まれた階層を
貫く糸はほの白く
たどり落ちてゆくまなざし、あるいは音楽が
うすい痕跡を残しつつ
重力に吸われてゆくのを
コマ送りで見ている

(音楽は ふるえている花びら ではなく 
 花びらのふるえを 渡す)

音楽が残したひかりを
靴の先にのせて歩く
音楽が残したひかりは
ポケットのなかにもある
やがては吸いこまれてしまう
としても
それらはひと巡りのうつくしい破片
音楽が向かう先を
音楽の通る道筋を
どうか 見失いませんように


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