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ロシア語手習い(1週間目)

「今の仕事を続けていくなら、ロシア語を覚えていおいた方がいいよ」
そう言われたのは10年程前だった。
キリル文字を読めるようになれば、読める書物や文献が増えるから、というのだ。

でも、いまいちモチベーションが湧かなかった。
その気になれば気合いでどうにかなるだろう、そう思って放置したまま、時が流れた。
仕事も変わり、世界情勢も変わった。ふと思い立って書類を請求し、祖父がかつて抑留されていたシベリアの冬を思った。
サハリンの原野は、また遠くなった。これからどこに向かうのか決められず、漂っていた。

ふと、キリル文字を覚えようと思った。
きっかけは単純な興味で、うっかりはまったアニメと、二次創作だった。
仲間からDVDを借りてはまってはまった矢先に、昨年、劇場版の製作が中止になった。
嘆きながらも、主要キャラクターがこれから眺めたであろう(願わくば平和な)風景、交わしたであろう会話を少しでも想像し、ぽっかり空いた心の穴を埋めたくなった。
ファンアートの世界には、まだ戦争が起こる前のロシアでの聖地巡礼の様子も描かれていた。
とりあえず「ダー」は「はい」、「ニェット」は「いいえ」ということは覚えた。
せめて、一週間後には文字入力方法を覚えたい。

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