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5.子猫ではなく成猫の選択はありませんか?

子猫のケージの前であれこれと悩んでいると、保護活動をする女性から

あの……やっぱり子猫をご希望ですかね? もし良かったら子猫ではないんですけど、とっても良い子がいるので考えてもらえませんか?
と言われた。

私は正直目の前にいる子猫の可愛さに気持ちがだいぶ引き寄せられていたところだったので、この子猫の可愛さを知ってから大人の猫を飼う、というと乗り気になれなかった。
「大人のネコですか・・・うーん・・・」
「よかったらでいいんです、ちょっと顔だけでもみてもらえませんか?」

まずは取り合えず、みるだけということで女性はその場を離れた。
わたしの目はケージ内の子猫に釘付けだ。
しばらくすると女性が一匹の成猫を抱いて戻ってきた。
その腕のなかには1歳を超えたメス猫。
全体的に茶がかかったトラ柄で目は薄いグリーン。
アイラインはくっきりとして、ツンと鼻筋の通った顔立ち。
ちょっと痩せ気味にみえるが、手足もしっぽも長い美形猫だった。

「え、

かわいいんだけど…」

それが率直に出たわたしの言葉だった。
その猫は毛色や柄はいろいろと混じってはいて、どこか野良風味はあるけれど顔立ちは整っているネコだった。
抱っこをさせてもらうと一瞬、私の腕の中で固まったけれど、しばらくするとするりと逃げていった。

「少し人見知りが出てきたみたい」

話を聞くとこの子はもともと多頭崩壊現場で保護された子猫の一匹で、きょうだいたちはもらわれていったが大病を患ったこともありなかなか貰い手がいなかったらしい。
どんな病気かと聞くと、
病名は「FIP」という。

聞いたことはあるような気はするけれど、よくわからない。
FIP?
どんな病気なのだろう??

女性は猫を腕に抱えて撫でながら話した。
「この子は本当にいい子なんです。かわいくて、性格もよくて、自信をもって勧められるんです。けれど、FIPという病気になったこと、そのあたりは理解していただいた方に引き取ってほしいんです」

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