知床へ
土日に知床へ行った。前に行ったのは流氷を見に行った時だからまだ春になっていないころで、あまりに感動したのでこれはぜひ日記にしたためておかねばと決意し、その決意の大きさゆえに日記自体が頓挫してしまった。だから今回はあまり意気込みすぎないようにしよう、と思っていたのだけれど結局書けなかった。なので、今週の日記はおやすみです。日記というのは本当にどうでもいいことを書くのに向いているのだと思う。でもそのどうでもいいはずのことが、後からみると輝いていたりするのだから不思議だ。
たとえば学生時代のことを思い出しても、労力を使ったのは文化祭の準備や受験勉強だったかもしれないけれど、いまになって懐かしく思えるのは嫌でたまらなかった早朝の通学電車のなかの朝焼けだとか、友達とフリータイムで何時間も入っていたカラオケボックスのタバコ臭さだ。
知床はすばらしかった。何度でも行きたい。今回はクジラを見に行くために行ったけれど、自然のものだから本当に見れるとはあまり思っていなかった。クルーズ船のひとたちからは来てくれたからにはどうにか見せたい、という強い気持ちを感じて、それが嬉しかった。周囲の舟と連携してクジラのいる場所を探知し、海面に出てきたという情報が出ると小型のクルーズ船とは思えないほどの全速力で向かってくれた。まさか生きているうちにクジラを見ることができるとは思わなかった。
季節によってはシャチがいたり、オジロワシなど大型の鳥も見られるらしい。たぶんまた行くと思う。もし少しでも知床に興味のある人がいたら絶対に行ったほうがいい、と強くお勧めしたい。車がないとアクセスは悪いけれど、着いてしまえば斜里町も羅臼町も街自体は大きくないし、バス会社がツアーを組んでいるようなので十分に観光が可能なようだ。
けれどこんなに熱く語っていても、たとえばこの先北海道を離れることがあったとして、十年、二十年経って懐かしく思い出すのは夏の霧まじりの湿った匂い、冬の喉を刺すような空気の冷たさなのかもしれない。
(2025.8.6)
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