良いコンテンツとは何か?読者の想像力を刺激する5つのライティングスキル
突然ですが、良いコンテンツとはどのようなコンテンツを指すのでしょうか?
ニーズを満たす情報や心を動かすストーリーなど、定義は人それぞれありますが、僕は「読者が感銘を受けて実際に行動し、その結果が目に見えてわかるかどうか」が良いコンテンツの判断基準だと考えています。
逆に言えば、読者が行動しないコンバージョンもしない、いわゆる「へぇーそうなんだ」で終わってしまうコンテンツは、良いコンテンツとは言えません。なので、この記事を読んだ方が何の行動も起こさなければ、この記事の存在価値はないということです。
僕はそのくらいの意識を持ってライターを続けていますが、「とはいえ読者に行動させるためには、具体的にどうすればいいんですか?」という質問をよくいただきます。
そこで今回は、行動変容を起こすコンテンツ制作について、深掘り解説します。
人の行動を変えるには
まず簡単に言うと、人に行動を促すには、その人自身に「想像力」を抱かせることが必要です。なぜなら、想像力の限界がその人が持つ能力の限界であると脳科学で証明されているからです。
人は自分が変われるイメージできたとき、初めて行動への原動力が生まれます。そのため、読者の経験や知識を呼び起こし、想像できる状態に導くことがコンテンツ制作の重要ポイントと言えるでしょう。
そういう意味では、写真や図解は非常に有効な表現ツールであり、昨今は動画(とりわけライブ感のあるもの)が見られやすいのも納得です。
ただ、このnoteでは、あくまでも文章で想像力を掻き立てられることをお伝えしたいので、あえてデザイン描写はなしとさせていただきます。
想像力=原動力
僕たち人間は、従来からその場に対象が実際に存在しなくても、自らの記憶や知識をたどって、物事の認識・判断が可能です。また、想像した結果が自分にとってプラスかマイナスかで、次の選択・行動につながります。
しかし、単にぼんやりとしたイメージがあるだけでは、なかなか行動に起こすことは難しいでしょう。
日本人の多くが苦手意識を持つとされる英会話やダイエットに例えるとわかりやすいかもしれません。
A:今まで見たこともない新しいダイエット器具
B:仲の良い友人がわずか3カ月で痩せたのことを目の当たりにしたダイエット器具
この2つのいずれかを選ぶなら、大半の方は、後者を「使いたい」と感じるのではないでしょうか。
つまり、「自分にもできそう」と確信を与えることが重要なのです。
読者が容易に想像できるような提案こそ、問い合わせや資料請求、売上へとつなげるためのファーストステップと言えます。
読者に考えてもらう余地を与える
直感的に理解できる画像は、後で振り返ったときでも簡単に思い出しやすいものです。しかし、文章の場合、脳内で具体的にイメージするためには、より多くの労力を必要とします。これは、その人の経験や記憶を引き出し、個人的な体験と結びつけるプロセスが生じるからです。
たとえば、「広い砂漠に一軒だけの小さなカフェがポツんとたたずんでいる」という写真と文章を比べたとき、脳の働き方は異なります。
文章では、まず自分がこれまで見た砂漠や訪れたことがあるカフェなど、記憶にある光景を思い浮かべるでしょう。そして、その砂漠の広がりやカフェの大きさ、雰囲気を自分の中で補完しようとします。
こうして、脳がイメージを完成させる過程で深い記憶が形成されやすくなるのです。これはツァイガルニク効果に関連しており、未完の部分を埋めるために脳が積極的に働くためです。
ツァイガルニク効果とは、心理学者のクルト・レヴィンとブルーマ・ツァイガルニクによって提唱された「上手くいったことよりも上手くいかなかったこと、停滞していることの方がよく覚えている」という心理現象です。
つまり、読者が自身の記憶を思い出しやすいような表現を心掛けることが大切ということです。
たとえば、
A:有名なハンバーガー店で特製バーガーを食べてきた!
B:予約が半年待ちの有名ハンバーガー店で、特別な日にしか出されないバーガーを食べてきた!
この2つの文章を比較すると、Bの方が特別感が伝わりませんか?「予約が半年待ち」「特別な日」というフレーズから、特別な価値や体験が連想され、より印象に残りやすくなります。
単に事実を並べるだけではなく、読者の想像力を刺激し、印象に残るような文章を書くことが重要です。
読者の想像力を刺激する文章術5選
ここからは具体的なライティングのコツを5つご紹介します。
1.人間らしさを入れよう
総じて重要なのは、まるで読み手が目の前にいるかのように、いかに人間的かどうかです。誰に向けているかわからないような無機質な発信では、人に見向きされることはないでしょう。なので、まずは人間らしさを意識してみてください。
論理的な文章は確かに重要ですが、あまりにも論理的すぎると冷たく機械的な印象を与えてしまいがちです。こういった文章は読み手に感情が届きにくく、共感も生まれにくいものです。
最も僕はめちゃ論理的なので、昔はそういうコミュニケーションで相手に共感してもらえないことがよくありました(笑)。
話を戻すと、人間らしさのある文章は、冗長になりがちな口語表現をそのまま使うという意味ではなく、読み手が自然と感情移入できるような表現を工夫することがポイントです。
たとえば、随所に感情を込めたフレーズや経験に基づく意見を入れてみてください。
"次は私が最も心を動かされたプロジェクトを紹介します"
"これまで数百件のプロジェクトに携わってきた経験から言えることは…"
いかがでしょうか。リアリティが増し、説得力が高まるのではないでしょうか。
さらに、質問形式で読み手に考えさせるのも有効です。
"新しいプロジェクトに情熱を注いだのに、誰にも見てもらえなかったことはありませんか?"
そう問いかけることで、読者は自分自身の経験と重ね合わせ、文章に引き込まれます。
また、「あなた」「私たち」といった一人称を使うことで、文章全体に親近感が生まれます。
"僕たちも同じような経験をしてきたのではないでしょうか?"
と言われると、筆者と同世代や同一環境の読者なら共感してくれる可能性は高いでしょう。
2.想像してみてください
シンプルな一言で想像力を刺激するのも一つのテクニックです。たとえば、「想像してみてください。あなたのサービスがすべての理想的な顧客に届いたらどうなるでしょう?」というように。
簡単な表現ですが、これだけで読者は文章をただ読み進めるだけでなく、自分ごととしてイメージし始めるのです。もしそのシナリオが魅力的であれば、読者の興味は一気に高まるのではないでしょうか。
心理学者ロバート・チャルディーニの研究によると、「想像してみてください」というフレーズを用いたセールスは非常に効果的で、実際の結果にも顕著な差が見られました。たとえば、あるケーブルテレビの営業では、このフレーズを使ったアプローチにより、サービスの利用者が倍近く増加したというデータがあります。これは、単に情報を提供するだけではなく、想像力を働かせることで、より感情的なつながりが生まれ、購買行動に結びついた事例です。
具体的な営業トークを挙げるならば、「考えてみてください。ケーブルテレビでいつでも豊富なエンターテインメントにアクセスでき、家族や友人と素晴らしい時間を過ごせる瞬間を」といった具合です。こんなふうに話しかけられたら、頭の中で自然とそのシーンが浮かんでくるのではないでしょうか?
3.事例紹介は複数
複数の事例を提示することは、読者に強い印象を与える効果的な手段です。人それぞれ経験や知識のレベルが異なるため、多くの事例を示すことで、そのギャップを埋めることができます。
事例紹介で大切なのは、複数の選択肢を提示し、その中から読者が「これだ!」と感じられる事例を見つけやすくすることです。業界や悩みの種類によって事例を分類しておけば、読者が自分に合った情報を見つけやすくなります。たとえ一つの事例でも、読者の記憶に残り、想像を広げることができれば成功と言えます。
たとえば、マーケティングの分野では、広告の効果を高めるためにさまざまな事例が活用されています。スターバックスは店舗の雰囲気を通じて、消費者に「特別な体験」を提供し、ファンを獲得しています。一方、ユニクロは手頃な価格で高品質な商品を提供し、幅広い年齢層にアピールしています。
これらの事例は、ターゲットやブランディングの違いによって戦略が異なることを示しています。
また、健康管理の分野でも事例を多く提示することで、読者が共感しやすくなります。ある人は、ジョギングがストレス解消に効果的だと感じるかもしれません。一方で、別の人はヨガや瞑想を通じてリラックスすることを好むかもしれません。これらの異なる事例を提示することで、読者は自分に合った解決策を見つけやすくなります。
さらに、教育の現場では、個々の生徒に適した学習方法を探すためにも複数の事例が役立ちます。視覚的な教材が効果的な生徒もいれば、実践的なアプローチで学ぶ方が効果的な生徒もいます。このように多様な事例を提示することで、教師は生徒にとって最も効果的な方法を見つけやすくなるのです。
4.数字の魔力
数字を使うことは、読み手に具体的なイメージを与えるために非常に有効です。次の2つの文章を比較してみてください。
A:たくさんの人がイベントに参加しました。
B:500人以上がイベントに参加し、会場は満員でした。
おそらくBの方が、どれほどの人が参加したのか、会場の状況がより具体的に思い浮かぶのではないでしょうか。「たくさん」や「満員」といった表現は人それぞれで感じ方が異なるため、数字を使うことでそのイメージを統一することができます。
以下の事例も同じです。
A: 最近、プロジェクトの締め切りがよく延びる。
B: 最近、10件中7件のプロジェクトで締め切りが延長されている。
Bの方が問題がより深刻であるとわかりますよね。数字は、読み手に現実的な規模感や状況をより明確に伝え、抽象的な表現よりも印象に残りやすくなります。
5.メタファーの活用
メタファーを使って言葉を工夫することは、読者に対してよりわかりやすく、共感を呼ぶ表現を生み出す効果的な手法です。身近な物事に置き換えることで、抽象的な概念が具体的にイメージしやすくなり、読者の想像力を刺激することができます。
たとえば、クラウドサービスを説明するときに「データをインターネット上に保存する」と言う代わりに、「クラウドは巨大なバーチャルな金庫のようなもの」と表現することで、読者にセキュリティや利便性が直感的に伝わるのではないでしょうか。
単なる事実や説明を述べるよりも、具体的で身近なメタファーを使うことで、より感覚的に理解してもらえるようになります。
Apple社のiPodシャッフル事例で、スティーブ・ジョブズが「ガムより小さい」と表現したことは、読者に「どれくらい小さいのか」という直感的なイメージを喚起しました。具体的な寸法を提示するのではなく、誰もがすぐに思い浮かべられる「ガム」という物に置き換えたことで、商品のコンパクトさが一目で理解できるようになったのです。
ちなみに、最近見かけた興味深いメタファーは、プロジェクト管理ツールの広告です。「あなたのプロジェクトは飛行機で言えばパイロット不在の状態です」といったキャッチコピーがありました。これは、複雑なプロジェクトの管理が必要だということを、飛行機の操縦というイメージに置き換えることで、誰にでもその重要性が伝わるようになっています。単に「プロジェクト管理が必要」と言うより、視覚的でリアルなメタファーを使うことで、重要性や緊急性を効果的に表現しています。
このように、メタファーを使いこなすことで、読者にとって馴染みのある概念や物事に置き換え、文章の説得力を高められます。読者の記憶や経験に基づいたイメージを引き出し、説明が不要になるような表現を心がけましょう。
まとめ
この記事では、「良いコンテンツはどのようなコンテンツか?」というテーマについて、さまざまな視点から考察してきました。読者に響くコンテンツを作るためには、単に事実や情報を伝えるだけでなく、人間らしさや共感を引き出す表現が重要です。
数字を使って具体性を持たせたり、メタファーで想像力を刺激したり、複数の事例を挙げて読者が自分ごととして捉えやすいよう工夫することも効果的です。
結局のところ、良いコンテンツとは、読み手にとって価値があり、記憶に残り、行動を促す力を持ったものです。そのためには、単調な説明に終始するのではなく、感情や経験に訴える表現を取り入れることが大切です。
あなたのコンテンツが読み手の心に響き、強く印象に残るものであるために、今回ご紹介したテクニックを積極的に活用してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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