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【テスラFSD】マガジンX 2026年5月号『ざ・総括。』<単品売り>

テスラFSDスーパーバイズドで一般道「手放し運転」認可されるか?
 
米・テスラの日本法人が報道向けにFSD(フル・セルフ・ドライビング)スーパーバイズドと呼んでいる機能を披露した。これは一般公道上で「手放し」運転を可能にするソフトウェアであり、テスラはすでにテスラ車を所有しているユーザー向けに「後付け追加機能」として販売することを狙っている。本誌評価メンバーの中には米国でこのソフトウェアを搭載した車両に試乗してきた者がいて、機能的には洗練されてきたと語る。では、日本でも一般公道での手放し運転は解禁になるのだろうか。少なくともテスラは「手放し」をメリットとして掲げている。しかし、この部分の法解釈はどうなるのか…。

<評価メンバー>
=エンジニアリングコンサルタント
=チューニングショップの社長兼エンジニア
=元部品メーカーのエンジニア
=ベテラン実験ドライバー
=自動車業界の事情通
=ベテラン技術調査員
 
 
E2E社会実装へ
 
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) いよいよE2E(エンド・トゥ・エンド)方式の自動運転ソフトウェアが、日本でナンバープレートを取得した車両に搭載されるかもしれない。テスラは日本でFSDスーパーバイズドを「2026年内に市販したい」と言っている。メディア向けの同乗走行イベントを実施し、その模様が公開された。こうやって下地固めを行ってメディアの援護射撃に期待するという側面から、おそらく「ない」とは言えないだろう。今回はこの手放し自動運転について取り上げる。果たして現状ではどこまで「安全な手放し運転」が可能なのか。とっさの事態に対処できる能力は身につけているのか。それとテスラ車への「後付け装備」は認められるのか。この3点を主なテーマにする。ここにいる事情通さんとTさんは、米国で最新のFSDを体験しているし、Tさんは中国でも自動運転車に乗っているから、その話も伺いたい。今回は自動運転に詳しいゲストとして某OEM(自動車メーカー)で技術調査に当たっていたベテラン氏をお呼びした。この評価会議には何度か登場していただいている。
部品メーカーのエンジニア(以下=部) 昨年3月にトヨタは、中国で「bZ3X」というBEV(バッテリー電気自動車)を発売しました。モメンタ(北京初速度科技)が開発したE2E方式の自動運転AIを搭載しているモデルです。E2Eは外部インフラからの情報に頼らず、高精細のデジタル地図も必要としません。いままでのルールベースの自動運転は、まず自社位置を認識し、周囲の状況を監視しながら「どの方向へ向かうか」をソフトウェアが決めて指示を出していましたが、E2Eは車載センサーからの情報だけで自動運転を実施する方式です。

トヨタbZ3Xは、トヨタとBYD、TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー、一汽トヨタ自動車、IEM by TOYOTA(トヨタ知能電動車研究開発センター)が共同開発したクロスオーバーBEV。同車にはモメンタが開発したE2E方式の自動運転AI搭載している。

自動車業界の事情通(以下=通) モメンタのソフトウェア機能は、いまのところACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やLKA(レーン・キープ・アシスト)などといったADAS(アドバンスド・ドライビング・アシスタンス・システム=先進運転支援システム)系に限られているが、いずれはレベル4の自動運転を目指すとモメンタは言っている。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) そもそもE2Eという方式はどんなものなのか。以前にもこの評価会議でその話をやったね。エンド・トゥ・エンドという表現の由来は、カメラやレーダーなどの車載センサーが片方のエンドで、どういう方向へどれくらいの速度でクルマを走らせるかという制御がもう片方のエンド。センサー情報を制御に直結させるという意味で良いかな?
ベテラン技術調査員(以下=技) その通りです。車載センサーによる「認識」を、そのまま運転動作の出力、つまりAIが導いた「制御」につなげる方法だからE2Eです。従来の自動運転は状況を「認識」し、その「解釈」をルールブックの中から探し、現状と比較しながら「制御」を行っています。なので、自車位置を特定するためには高精細デジタル地図が必須で、インフラ側が電波で送ってくる情報は「あれば助かる」くらい重要です。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) すでに中国では長安汽車や吉利汽車が街中で「手放し運転」できるソフトウェアを市販車に搭載しているが、これがかなり使える。ドライバーが運転席に座って前を見て、周囲の状況を車載システムと共有していることが一応の条件だが、上海のような大都市でも手放しのままけっこう走れた。モメンタのソフトウェアは、いまやあちこちのOEMが採用している。いわゆるNOA(ナビゲート・オン・オートパイロット)という機能なしには、BEVは売れないとまで言われている。

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