日記にさえならない日 #1【パーフェクトデイズ】
弟たね吉家族と久しぶりに夕食を共にした。
「なら、おばちゃんはうぐいす嬢やる?」
たね千代が寿司をつまみながら、半笑いで私に聞いた。
たね千代は、たね二郎のいとこ(私の甥っ子)。
「やる」
私も寿司を咀嚼しながら反射的に答えた。
思えば幼少の頃よりそうなのだが、たね千代は私に話しかけるときはいつも半笑いしている。
なぜ?
義妹(たね吉嫁)がリンゴを裾分けしてくれた。
買うとけっこうするんだろうなってくらい、大きくて良いリンゴ。
たね吉たちは誰も知らないと思うが、私はリンゴが食べられない。
あのシャリシャリの感触が苦手ってだけで、味も香りも愛おしいほど好きなのに。
しかし私にとってリンゴとは、いつも、ただ剥くだけのモノ。
たね二郎がシャリシャリと不気味な音を立てて美味しそうにかじる。
その斜め向かいで私はジリジリと理不尽さをかじる。
「だったらケーキを食べればいいじゃない」
私の、たぶん守護的な誰かが囁いた。
そうか、ジャムにしてしまえばいい。
その夜、小さく刻んだリンゴにてんさい糖をたっぷりまぶして寝た。
翌日、水分は加えないでしっとり滲み出た果汁だけで鍋を弱火にかけた。
焦がさないよう、木べらでこまめにそっと混ぜながら、鍋から立ち上るリンゴの香りを浴びて至福に浸る。
ふと、なんでたね千代はうぐいす嬢のことを持ち出したんだっけと考えた。

うだうだと頭の中であれこれ考えているより、今年は日記でも始めてみようと思った。
事件は会議室で起きてるんじゃない!とか言うし。
だけど、私の場合。
事件は現場でさえも起きていなかった。
まぁ、でもそれが私にはパーフェクトデイズでもあるということ。
何も起きていない一日こそ、完ぺキ。
ちょっと動画紹介。
この動画は本文とは何の関係もありません。
面白かったってだけ。
※連投してないけど、シレっと入れてみる。。
#四日坊主
#おい彩夏
#すいません
