たまたまトーストくわえて飛び出したらイケメンとぶつかって恋に落ちるドラマが待っているかもしれないとどこかで思って生きている
『振込みの確認をお願いします』
長谷川さんが私の口座に2000万円を振り込みたい、というメールが届いていた。
見ず知らずのどこぞのお方から、思いがけない豊かさをもたらされるなんて、私はやっぱりシンデレラなのかもしれない。
ハセガワ?
それが誰なのかなんて、どうでもいい。
シンデレラストーリーってそういうものなの。
昔見た少女漫画のドジなだけの主人公に、ある日訪れるイケメンとのドラマティックな恋とか。
平凡なだけの日常に繰り広げられて行くファンタジーな展開とか。
サンタクロースがうちには来ないことを5歳の頃にはもう知っていた。けれどあのどこにでもいるような主人公のストーリーが自分に起こらないなんて、まだ証明していない。
射光の計算された室内。こじゃれたカップと高級スィーツ。その向こうにピントをぼかした観葉植物のシルエットをフワッとフェードインさせた、誰かの渾身の投稿を今日も覗く。
あなたのティータイムあら素敵ねと、♡のエール。
ホントは、角のちょっと欠けた10年以上使ってる、キャラクターもののマグカップで麦茶を飲んでるし、ひと口で消えるコンビニスィーツはスプーンがなければ指でつまみます。
それが何か?
でも、それでも。
しっかり薄化粧して『今日はスッピンなんですぅ』と、はにかんで微笑むとか困った表情とかね。
したいのよ。
自分は特別な存在かもしれないって可能性がさ、私をがんばらせてくれるわけよ。
車内で、ちらっと目配せし合って「あなただって、そうよね?」と互いにエールを送り合って。
そうして私たちはそれぞれの平凡な日常を、キラキラに変える何かを求めて、それぞれの駅に降りて行く。
たとえ歳を取るということが、とってもよく映る鏡で自分を見るようになることだとしても。
期待は裏切られるもの、なんて哲学も思想も力をくれない。
リアルな感情だけを頼りに、寒い朝も布団から這い出て行く。
遅刻しそうになって、慌てて飛び出したところにイケメンなんて居合わせないし、恋なんか始まらない。
わかってんの。
隣の子のお弁当をチラリと横目でのぞいて「自分とそんなに変わらない」と安心してるし、自分も人並みなんだとがっかりもしてる。
だけどある日、ガラスの靴を差し出されて「あなたがシンデレラです」といわれるのは自分かもしれないって思ってる。
楽しむって、そういうこと。
どこぞのハセガワって方が振り込んでくれたらしい2000万円で、何を買おう。
歯磨きをしながらふと足元に目を落とす。
そうそう。
モフモフの新しいスリッパが暖かいから、今日もこれで十分イケる。
おべっかとかお世辞を言うと口が曲がると思い込んでいるので、素直に書くと逆に素直じゃない感じになります。
企画主催者とnoteを続ける皆さんへのエールを込めました。
ホントだぞ!!!
#四日坊主でいいじゃない
#おい彩夏
#ゴールしたぜぇ
#坊主がnoteに正月自由に記事書いた
