AI_Clip を作りました ~ Illustratorだけで図面を分割したかった話 ~
Illustratorで大きな図面を扱っていると、
「この範囲だけ切り出して分割図を作りたい」
という場面が結構あります。
手作業でも出来ます。
ただし、図面修正が入るたびに、
全体図を修正
分割図を修正
また全体図を修正
また分割図を修正
という作業が発生します。
これがなかなか面倒です。
AutoCADのレイアウト機能を使えば解決できる場合もありますが、私の環境では Illustrator 側で完結させたい事情がありました。
そこで作ったのが AI_Clip です。
AI_Clip とは
AI_Clip は Illustrator 用の図面切り出し・分割ツールです。
選択した図面の中から、
「指定した枠の内側だけ」
を抽出し、新しいレイヤへ出力します。
Illustrator のクリッピングマスクとは違い、実際に線データを切り出して複製するため、そのまま編集できます。
また、
枠で切り出す
線で分割する
(クリップ)(カット)レイヤ名を元に戻す
といった処理も行えます。
主な機能
指定範囲の切り出し
一番上のレイヤに作成した枠を基準に、枠内のデータだけを抽出します。
全体図から分割図を作る時に便利です。
線による分割
指定した線を使って複数の線データを分割できます。
Illustratorだけでは意外とやりづらい作業を補助します。
レイヤ整理
AI_Clip が作成した
(クリップ)
(カット)
というレイヤ名をまとめて元へ戻すことができます。
地味ですが、個人的にはかなり便利な機能です。
使い方
1. 図面を開く
Illustratorで図面を開きます。
2. 一番上にレイヤを作る
レイヤパレットの一番上に新しいレイヤを作成します。
3. 枠を作る
切り出したい範囲を長方形などで囲みます。
4. まとめて選択
作成した枠と、切り出したい図形をまとめて選択します。
5. AI_Clip.jsx を実行
AI_Clip.jsx を実行します。
6. 完了
処理終了後、
「(クリップ)」
という名前のレイヤが作成され、枠内のデータが出力されます。
技術的な話
最初は Illustrator のスクリプトだけで処理しようとしました。
しかし全体図クラスのデータになると処理が重く、普通に Illustrator が固まりました。
そこで、
JSX でデータ取得
Python 側で幾何計算
Illustrator へ結果を返す
という構成にしています。
そのため配布ファイルは少し大きめ(8Mくらい)です。
注意点
Windows専用です
フォルダ構成は変更しないでください
文字を大量に選択すると遅くなる場合があります
既存の(クリップ)(カット)レイヤが大量にあると遅くなる場合があります
Macでは AI_clip_engine.exe が動作しないため利用できません
ダウンロード
GitHub Releases
https://github.com/naonekosennsei/AI_clip/releases/tag/v1.0.0
特定の人しか使わないツールだと思います。
ただ、その「特定の人」が毎日面倒な作業をしているなら、かなり時間短縮になるかもしれません。
私自身が困っていたので作りました。
同じことで困っている人の助けになれば幸いです。
