ウルトラマンに性格があったなら
【ウルトラマンせっかち】
地球に怪獣出現。
防衛隊「市民の避難を優先しろ!」
その瞬間、空が裂けるように光り――もう来ている。
せっかちすぎて、呼ばれる前に到着。
怪獣もまだ準備体操中。
ウルトラマン、腕を組んで待つ。
「まだ?」
怪獣、慌てて咆哮。
「ちょっと待って、今起きたとこ!」
戦いは30秒で終了。
カラータイマー、まだ青。
ウルトラマン、ちょっと不満げに帰還。
「……もう一体くらい出ない?」
防衛隊「出なくていいんだよ」

―――
【ウルトラマンのんびり】
地球に怪獣出現。街はすでに大パニック。
防衛隊「ウルトラマンはまだか!」
空は晴天、雲ひとつない。
数分後――
遠くに、ゆっくりとした光。 さらに数分後――
ウルトラマン、ようやく到着。
途中で夕焼けを眺めていたらしい。
怪獣、暴れ疲れて座っている。
ウルトラマン、ゆっくりうなずく。
「大変だったね」
怪獣「うん……」
なぜか心が通じ合い、戦わずに終了。
ふたりで海を見ている。
防衛隊「戦え」

―――
【ウルトラマン(ふつう)】
地球に怪獣出現。 防衛隊、避難誘導、発進、応戦。
頃合いを見て、空が光る。
ちょうどいいタイミングで登場。
怪獣としっかり戦い、ほどよく苦戦し、
三分きっちり使い切って勝利。
――帰らない。
防衛隊「……あれ?」
ウルトラマン、立ったまま動かない。
カラータイマーは赤のまま、静かに点滅している。
市民「帰らないの?」
ウルトラマン、小さくうなずく。
「ちょうどいい、が好きでね」
防衛隊「は?」
「三分で終わるなら、三分で終わらせたい」
「終わったあとも、三分ぶん、ここにいたい」
誰もいない街で、ウルトラマンはじっと立っている。
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