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ピッキング作業の『隠れたムダ』を数字で発見する方法

「現場育ちの改革者」です。
前回の記事「仲間を巻き込む『数字共有』のコツ」を読んでいただいた皆さん、ありがとうございました!

前回は仲間との数字共有の方法をお伝えしましたが、私自身も最初は「具体的に何から始めればいいんだろう?」「どんな数字を見れば改善につながるんだろう?」と悩んでいました。

私も仲間と一緒に改善を始めた時、最初に取り組んだのがピッキング作業の改善でした。
なぜピッキングから始めたかというと、「毎日やっている作業だから変化が分かりやすい」「改善効果を実感しやすい」からです。

でも実際に数字を取り始めてみると、思いもよらない「隠れたムダ」がたくさん見つかったんです。

ピッキング作業の数字を見ることで、自分でも気づかなかった改善ポイントが次々に見えてきます。

今日は、私と仲間たちが実際に試して効果があった「ピッキング作業の隠れたムダ発見法」をお伝えします。

なぜピッキング作業に「隠れたムダ」があるのか

長年ピッキング作業をしていると、「いつものやり方」が身についてきます。
これは大切な経験なのですが、同時に「なんとなく」の作業も増えてしまいます。

私も最初は気づかなかったのですが、数字を見始めてから驚いたことがあります。

同じ作業なのに時間がバラバラ

「いつもと同じようにやっているつもり」なのに、日によって全然時間が違う。
これって、実は「隠れたムダ」が影響していることが多いんです。

「忙しい時間」の正体

「午後は忙しくて大変」と感じていたのに、実際に数字を見ると「移動時間が長くなっている」だけだったということもありました。

効率的だと思っていたルートの落とし穴

「このルートが一番早い」と思い込んでいたのに、測定してみると意外なムダが見つかることも。


スマホだけでできる「ピッキング分析」4つの方法

私が仲間と一緒に試して、効果が高かった測定方法をご紹介します。
どれもスマホがあれば今日から始められます。

【方法1】ピッキング時間のバラつき分析

測定方法:
同じような件数のオーダーを10回測定して、時間のバラつきを見る

私の実際のデータ例:

  • 最短:15分

  • 最長:25分

  • 平均:19分

  • バラつき:10分の差

発見したムダ:
「商品の場所を思い出す時間」が日によって違っていました。
月曜日は週末で記憶が曖昧になり、時間がかかっていたんです。

改善策:
よく出る商品の配置図を手帳に書いて、月曜日の朝に5分復習するようになりました。
結果、バラつきが10分から5分に縮小。

【方法2】移動ルート効率化の数値化

測定方法
歩数計アプリで、同じピッキングリストを異なるルートで実行

私と仲間のテスト結果

従来ルート(棚番号順)

  • 歩数:1,850歩

  • 時間:18分

  • 疲労感:普通

改善ルート(エリア別)

  • 歩数:1,420歩 (23%削減)

  • 時間:14分 (22%短縮)

  • 疲労感:楽になった

発見したムダ
往復する無駄な動きが多かったことが数字で明確になりました。

【方法3】商品配置と作業効率の関係分析

測定方法
よく出る商品とあまり出ない商品の取得時間を比較

測定結果

  • A商品(よく出る、手前に配置):平均8秒

  • B商品(よく出る、奥に配置):平均18秒

  • C商品(たまに出る、手前に配置):平均12秒

発見
よく出るのに奥にある商品のムダが一番大きいことが判明。

改善効果
B商品を手前に移動することで、1日あたり約15分の時短になりました。

【方法4】時間帯別パフォーマンス分析

測定方法
同じ作業を午前・午後・夕方の3回に分けて測定

私の実際のデータ

  • 午前(9-10時):平均16分/オーダー

  • 午後(14-15時):平均20分/オーダー

  • 夕方(17-18時):平均18分/オーダー

発見したムダ
午後の効率低下の原因は「疲労」だと思っていたのですが、実際は「休憩後の集中復帰に時間がかかっている」ことが分かりました。

改善策
昼休み後に3分間のストレッチと商品配置の軽い確認を始めました。
午後の時間が20分から17分に改善。


チームで取り組んだ「隠れたムダ発見プロジェクト」

前回の記事で紹介した仲間と一緒に、本格的なピッキング改善に取り組んだ時の体験をお伝えします。

プロジェクト開始のきっかけ

私が個人的に測定していたデータを休憩時間に見せたところ、2名の同僚が興味を示してくれました。
「面白そうだから、みんなでやってみない?」という流れで始まりました。

3人で1ヶ月間のデータ収集

測定項目

  • ピッキング時間(オーダー別)

  • 移動歩数

  • 商品別取得時間

  • 時間帯別効率

分担

  • Aさん:データ記録係

  • Bさん:分析・グラフ作成係

  • 私:改善案の実験係

驚きの発見

発見1:「忙しい時間」の錯覚
みんなが「一番忙しい」と感じていた15時台が、実は時間あたりの処理件数は普通でした。
本当に忙しかったのは11時台と17時台。感覚と数字の違いに驚きました。

発見2:個人差の要因
3人の中で一番早いBさんの秘密は「商品を取る時の手の動き」でした。
数字で比較すると、1個あたり2秒の差が1日で大きな違いになっていました。

発見3:曜日による効率の変化
月曜日と金曜日で、同じ人でも15%の効率差があることが判明。
月曜日は「思い出し時間」、金曜日は「疲労の蓄積」が影響していました。

チーム改善の成果

1ヶ月後の結果

  • チーム平均処理時間:20%短縮

  • 歩数平均:25%削減

  • 疲労感:「楽になった」(3人とも)

  • ミス率:15%削減(集中力向上の効果)

何より嬉しかったのは
他のチームメンバーからも「やり方を教えて」と声をかけられるようになったことです。


すぐに試せる「隠れたムダ」チェックリスト

私の経験から、特に効果の高い「隠れたムダ」をまとめました。
当てはまるものがあれば、すぐに測定してみてください。

✅ 移動系のムダ

往復ムダ:同じ場所を何度も通っていませんか?
→ 測定方法:歩数計で同じ作業を違うルートで比較

迷い時間:商品を探している時間はありませんか?
→ 測定方法:「商品発見」までの時間を測定

無駄な立ち止まり:作業中に立ち止まる回数が多くありませんか?
→ 測定方法:1オーダー中の立ち止まり回数をカウント

✅ 思考系のムダ

思い出し時間:商品の場所を思い出す時間がかかっていませんか?
→ 測定方法:リストを見てから歩き始めるまでの時間

迷い判断:「どっちが早いかな?」と迷う時間がありませんか?
→ 測定方法:判断に迷った回数を記録

確認の重複:同じことを何度も確認していませんか?
→ 測定方法:リストを見る回数をカウント

✅ 動作系のムダ

持ち方の非効率:商品の持ち方で時間をロスしていませんか?
→ 測定方法:商品を取ってから次の行動までの時間

道具の準備:必要な道具を取りに戻ることがありませんか?
→ 測定方法:道具を取りに行く回数を記録


「ムダ発見」から「改善」への3ステップ

データを取っただけでは改善になりません。
私が実践している「ムダを改善につなげる方法」をお伝えします。

ステップ1:一番大きなムダを特定

複数のムダが見つかっても、全部一度に改善しようとすると続きません。
まずは「一番時間のロスが大きいもの」を1つ選びます。

私の例
移動ムダ(1日15分のロス)→ 思い出し時間(1日8分のロス)→ 確認重複(1日3分のロス)
まずは移動ムダから改善しました。

ステップ2:改善案を3つ考えて試す

1つの改善案だけでなく、必ず複数のアプローチを試します。

移動ムダ改善の例

  • 案1:エリア別ルートに変更

  • 案2:商品配置の見直し提案

  • 案3:カートの使い方を工夫

この3つを1週間ずつ試して、一番効果があったものを継続しました。

ステップ3:効果を測定して、仲間と共有

改善後も必ず効果測定をして、仲間と結果を共有します。

共有の例
「移動ルート変更で、1日あたり15分短縮できました!みんなも試してみませんか?」

この共有により、改善が個人からチーム全体に広がっていきます。


今週のチャレンジ:隠れたムダを1つ見つけよう

初心者におすすめの順番:

  1. 🥇 ピッキング時間のバラつき測定(一番簡単)

    • 同じような作業を5回測定

    • 最短時間と最長時間の差をチェック

  2. 🥈 移動歩数の比較(効果が見えやすい)

    • いつものルートと新しいルートを比較

    • スマホの歩数計で測定

  3. 🥉 時間帯別パフォーマンス(面白い発見が多い)

    • 午前・午後・夕方で同じ作業を比較

    • 自分の「得意時間」を発見

どれか1つでも試してみてください!
きっと意外な発見があるはずです。


次回予告

次回は「在庫管理の数字術 - 現場の感覚を数字で裏付ける方法」をお伝えします。

  • 在庫の「多い・少ない」を数字で判断する基準

  • 欠品予防のための簡単な予測方法

  • 現場の「気づき」を在庫改善に活かすコツ

  • デッドストック発見の数字テクニック

ピッキングの次は在庫管理!現場の経験を数字で活かす方法を一緒に学びましょう。


最後に

今日お伝えしたピッキング改善の方法で、一番大切なことは「小さな変化も見逃さない」ことです。

私も最初は「たった数分の改善なんて意味があるの?」と思っていました。
でも、1日5分の改善が1ヶ月で2時間、1年で40時間になることを実感してから考えが変わりました。

そして何より、数字で改善効果が見えることで「もっと良くしたい」という気持ちが自然に湧いてきます。
仲間と一緒だと、その気持ちがさらに強くなるんです。

現場の小さな気づきが小さな改善を生んで、その小さな改善が大きな改善につながる

これを一番実感できるのが、毎日行うピッキング作業だと思います。

私自身も、これからも現場で学んだ知識と経験を分かりやすくお伝えしていきます。
同じ現場で頑張る皆さんが、数字を味方につけて、より効率的で楽しい仕事ができることを心から願っています。

皆さんの「隠れたムダ発見」を、心から応援しています!


📚 過去記事もぜひご覧ください

このシリーズを最初から読んでいただくと、数字活用の理解がより深まります:

第1回:「現場一筋の私が『数字』と向き合って変わったこと」
→ なぜ現場社員こそ数字を見るべきなのか、私の体験談をお伝えしています

第2回:「現場で使える『数字の見方』入門 - 難しい計算は不要です」
→ スマホだけで始められる、超シンプルな数字活用法をご紹介

第3回:「仲間を巻き込む『数字共有』のコツ - チーム改善への第一歩」
→ 一人の改善を仲間と共有して、チーム全体で成長する方法

まだ読んでいない記事がありましたら、ぜひチェックしてみてください!

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現場育ちの改革者 現場で20年間汗をかいた経験と、本部で学んだ戦略を組み合わせて、本当に現場が変わる方法をお伝えしています。同じ現場出身として、皆さんと一緒に成長していけたら嬉しいです。応援していただけると、より良い記事作成の励みになります。