巣立つ絵本を見送りながら、50代の私が見つけた光
50歳を過ぎて、初めて挑戦したことのひとつ。
それが、Kindle絵本の出版でした。
絵本を作りながら、私は何度も子育てを振り返っていました。
懐かしい気持ちになったり、
「あまり関われなかったな」と悔しくなったり。
まるで波打ち際に立っているみたいに、いろいろな感情が寄せては返していました。
制作中は、わからないことだらけ。
思い通りのイラストが出てこなくて、イライラすることもありました。
でも、そんな時間さえ、どこか心地よかったのです。
今まであまり座ることのなかった椅子に座り、静かな部屋でPCを開いて、絵本と向き合う。
そんな時間が、少しずつ日常になっていきました。
それまでは、ただ時間をやり過ごすような毎日でした。
仕事から帰って、一通りやることだけやって、なんとなくテレビを見て、なんとなくSNSを眺めて、一日が終わっていく。
でも、椅子に座り、PCに向かう時間ができたことで、毎日の景色が少し変わっていった気がします。
「これでいいのかな?」
何度も自分に問いかけながら、一歩進んでは立ち止まる。
そんな時間を繰り返していました。
完成が近づくたびに、今度は寂しくなるんです。
終わらせたくない。
まだこの時間の中にいたい。
そんな気持ちになって、なかなか「完成」に踏み出せませんでした。
皆さんに読んでもらいたい気持ちがある反面、
自分の中で大切に抱えていたい気持ちもありました。
手放すには、思っていた以上に勇気が必要でした。
巣立っていった息子を送り出した時のように、
この絵本もまた、私の手から離れていくんだな…と。
誰にも読まれないのは寂しい。
でも、自分の手から離れていくのも寂しい。
そんな矛盾した感情は、今まで味わったことのない不思議なものでした。
* * *
たくさんの想いが詰まった2冊の絵本。
1月に1作目を出版し、 4月に2作目を出版しました。
人生の中でも割と大きな出来事だったように思います。
今、その2冊の絵本が我が家に飾られています。

ダウンロードして読んでくださる方がいる。
ペーパーバックを手に取ってくださる方がいる。
「お守りにします」と言ってくださる方がいる。
素敵なレビューや感想を寄せてくださる方がいる。
身近な人に勧めてくださる方もいる。
* * *
絵本を出版してから嬉しかった出来事がたくさんありました。
noteで私の絵本を丁寧に紹介してくださった方がいました。
ペーパーバック版を2作とも買ってくださり、事前に「記事にしてもいいですか?」と連絡をくださり
「心に温かさというヒカリを与えてくれました。お守りにします」
と書いてくださいました。
今、子育て真っ盛りのママさんでした。
子育てに向き合うママの素敵な言葉に、私の胸の奥に、じわりと熱いものが広がりました。
母も、友人に「読んでみて」と絵本を紹介してくれました。
遠い親戚の方からは、「みんみちゃん、すごいね」と言っていただき、
2作の絵本を3セットも購入してくださいました。
当時の私を知る人たちが、
「そうだったよね」
「懐かしいね」
と、当時を思い出しながら噛み締めるように、ページをめくってくれることもありました。
それは、絵本だけではなく、
私の子育てそのものを肯定してもらえたような気がして、とても嬉しかったです。
さらに、noteでつながった方が、ペーパーバック版を購入してくださり、職場の子育て支援の教室に置いてくださいました。
そこで、子どもたちが実際に読んでくれているそうです。
しかも、本がボロボロにならないようにと、手作りのカバーまで作って大切にしてくださっていると聞きました。
そのお話を聞いた時も同様に、言葉にならない感謝で胸が震えました。
私の手の中にあった絵本が、誰かの場所で、誰かの時間の中に置かれている。
そんなふうに、この絵本が少しずつ人から人へ渡っていくことが、本当に嬉しいです。
* * *
noteを始める前の私は、
「これでいいのかな?」
と考えてばかりで、なかなか動けませんでした。
性格はそんなに簡単に変わるものではありません。
それでも、noteを通して、
「行動してみよう」 「自分が感じたことを表現してみよう」 と思えるようになりました。
今回の絵本も、そんな気持ちの延長にあったのだと思います。
出版して終わりではなく、この絵本をきっかけに、また新しい何かをしたいという気持ちがありますが、まだ形ははっきりと見えていません。
でも、なんとなくテレビやSNSを眺めていたあの頃の私とは、見えている景色が少しだけ違います。
今はきっと、焦って答えを出す時ではなく、 この温かな気持ちを大切に育てている途中。
50歳を過ぎて見つけた、新しい毎日の歩き方を楽しんでいこうと思っています。
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