200人の新入生、誰も「席ずれてます」と言わなかった日
「春から大学生」
4月1日、大学の新入生オリエンテーションで小さな事件が起きた。
学籍番号による座席指定で行われるが、
200人の新入生が、全員一列ずつズレて座っていた。
最初の一人が席を間違えた。
次の学生がそれに従った。
その次も。
そして最後まで続いた。
本来なら誰かが言うはずだ。
「席、ずれていませんか?」
しかし誰も言わなかった。
気づかなかったのか。
気づいたけれど言えなかったのか。
あるいは「まあいいか」だったのか。
職員の間では、ある認識で一致した。
これは単なる座り間違えではない。
話を少し戻す。
私立大学では4月1日から新年度が始まる。
とはいえ授業が始まるのは1週間後、だいたい4月8日前後だ。
ではその最初の1週間、新入生は何をしているのか。
答えはオリエンテーション。
もっと正確に言えば
「新入生を一気に大学システムに組み込む週間」
である。
私が勤務する中堅私立大学では、1学年およそ2000人。そのうち約200人が、ある学科の教室に集まっていた。
大学では、座席は学籍番号順で指定されている。
例えば26L0357なら
26年度入学
L=法学部
357番目
という意味だ。
学生証を配るため、大学はこの番号順で座席を指定する。
ところが今年、事件が起きた。
最初の学生が席を間違えたのだろうか
そして教室の最後まで、
全員が一列ずつズレて座った。
そして誰も言わなかった。
「席、ずれていませんか?」
念のため言っておく。
この現象が起きたのは、
全学部の中で最も偏差値が低い学科だった。
もちろん偏差値がすべてではない。
だが大学で長く学生を見ていると、
どうしても思ってしまう瞬間がある。
偏差値は、やっぱり関係あるのか?
ただし、この出来事は
大学オリエンテーションのほんの序章にすぎない。
4月最初の1週間、大学では
迷子
履修地獄
書類の山
友達問題
ドロップアウト
など、もっといろいろなことが起きている。
そして実は――
大学生活の人間関係は、この時期にほぼ決まる。
それについては、明日書きたい。
