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奈良寄りの京都、茶の香り感じる駅

 乗り換えのために降り立ったJR加茂駅で、暫く待機時間があったおかげで存分に散策できた。だが、待ちぼうけてようやくやってきた電車に乗り込んで、そこにあった光景に目ん玉ひん剥かれた。

JR王寺駅を出発して奈良駅を経由し、ここに至る

展示されるラッピング車両

 降り立ったホームから先ず見えたのが、この車両。

何やら色んな絵柄が……

 柵の向こう側に居るなら展示用なのだろうか。
 2両編成、成程この車両にペイントされたのかと、理に叶った展示で非常に分かりやすい。

JR関西本線・亀山行き
近カメ?(乗車ドア横の表示)
ここでようやく茶道具の絵柄だと気づいた

奈良寄りの京都

 JR加茂駅は京都府の駅ながら、ロケーションは京の都より奈良の都に近い。丁度うまい具合に列車内で〈奈良寄りの京都〉の地図を見つけたので引用させていただく。

列車内の案内広告『お茶の京都 Kyoto Tea Country』より

 この中でも特に、精華せいか町、木津川きづがわ市、笠置かさぎ町は、奈良の一部であるかのような気がしている。
 そういう奈良県民はたぶん多い。

 何も領土争いのような話ではなく、京都へ行こうと思わずとも、生活の地続きで、いつの間にかその区域に入っていたりするからだと思う。

精華せいか

 精華せいか町は『けいはんな学研都市』の一部で、その名の通り、京都・大阪・奈良にまたがる特異的な地区として、耳慣れた場所。

木津川きづがわ

 木津川きづがわ市にあるイオンモール高の原の敷地内には、奈良県と京都府の県境がある。そのため、イオンの中を歩き回る内に、知らずとも京都と奈良を行ったり来たりすることになる。
 それに高の原駅は奈良県下の公立高校に通う学生の最寄駅の北限でもある。

笠置かさぎ

 この辺りでは有名なキャンプ場やクライミングスポットがあるため、アウトドアを嗜む者にとっては馴染みの地名。

 こういった背景から、あまり意識していなかった頃は、特に精華せいか町、木津川きづがわ市は、本当に奈良県の一部だと思っていた。

 JR加茂駅はこのうち、木津川きづがわ市に位置している。
 そして茶の里である『和束わづか町』にほど近い。

日本三大銘茶、宇治茶の茶源郷・和束わづか

 和束町の特産品、和束茶は800年以上の歴史があり、宇治茶ブランドの一つとして、およそ半分を占めている。

 宇治茶は日本の三代銘茶の一つだが、京都・宇治で栽培されたものだけを指すのではなく、実際は

  • 京都、奈良、滋賀、三重の4県で栽培された茶であること

  • 京都府内業者が府内で仕上げ・加工したもの

の2点を満たすものが『宇治茶』と定義されている。

もう1台あった。写真撮影用の展示かと思うくらい、眺め放題である
全景

 確かこの時、待ちぼうけたのは列車の遅延か何か。
 一時間くらいこの駅で過ごした気がする。

時間があったので、左右の間違い探しをしてみる

 冬だった。
 待合室は綺麗であったかい。風が強く雨も降っていたから有難い。

すだれで目隠しされている(配慮)

亀山行き、電茶でGO!

 嬉しいことに、ようやく現れた亀山行きの電車もまた和束茶ラッピング列車だった。外観はたっぷり堪能したので、早速中に入る。

 そして驚愕する。

濃茶カラーのシート! カーテン付きの窓! リビングか?
何処からどう見ても、こだわりがぎゅうぎゅうに詰まっている
茶畑に、茶筅ちゃせん、真ん中は茶の花?

 何だこれ、観光列車? 私鉄じゃなく、JRのはず……
 和束町と一緒にプロデュースしたのかな。
 カーテンと同じ生地の吊り下げ……なんというアーティスティック広告!

このデザインの優先席は他でも見たことがあるけれど、妙にマッチしている

 普通のゴミ箱が置いてあるのもシュールだ。
 なんだこの部屋感は。

 なんというか、この世でありながら、ちょっとだけ違う世界に来たような感じがした。

 この土地に暮らす者にとってはありきたりな日常の一コマであって、私のように不意に現れた者にとっては見慣れぬ光景である。
 人の生活のそばにある駅や鉄道は、自ずと地域性も反映されることもあって、このギャップを顕著に感じやすい。

 だから駅や鉄道は面白いのだ。

かもQサンキュー


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