iSCSIのターゲット設定忘れで認識できない『ストレージの話⑥』
iSCSIでストレージを追加したはずなのに、
OSからディスクが一切見えない。
再起動しても、スキャンしても、何も出てこない──。
原因として考えられるのは iSCSIターゲット側の設定忘れ。
iSCSIは
「ターゲット(提供側)」と「イニシエータ(利用側)」の両方が揃って初めて成立する。
片側だけ設定しても、何も起きない。
冒頭の一言要約
iSCSIは“向こう側の設定”を忘れがち。
ターゲット未設定=ディスクは存在しないのと同じ。
症状(あるある)
lsblk に新しいディスクが出てこない
iscsiadm -m session が空
iSCSIログインが成功しない
再起動してもディスクが増えない
ネットワークは疎通しているのに認識しない
ストレージ装置側では「LUN作ったつもり」
multipath を疑い始めて泥沼化
原因と仕組み(なぜ起きるか)
ターゲット(LUN)自体を作成していない
ターゲットはあるが イニシエータIQNを許可していない
LUNを作ったが マッピングしていない
ターゲットポート/IPを公開していない
CHAP認証を有効にしたが、クライアント未設定
iSCSIサービスが起動していない
ストレージ側の「保存ボタン押し忘れ」
図:iSCSIは“両側一致”が必須
[サーバ(Initiator)]
IQN: iqn.2024-01.client
│
▼
[ストレージ(Target)]
Target作成
├─ LUN作成
├─ IQN許可 ← ここ忘れがち
└─ ポート公開
切り分け(最短コース)
イニシエータ側で探索できるか確認
iscsiadm -m discovery -t sendtargets -p <TARGET_IP>
セッション状態確認
iscsiadm -m session
ターゲットIQNが見えているか
iscsiadm -m node
ログイン試行
iscsiadm -m node --login
ログ確認
journalctl -u iscsid
今すぐ効く対処(テンプレ)
◆ ターゲット側(必須チェック)
ターゲットIQNを作成済みか
LUNを作成済みか
LUNをターゲットにマッピングしたか
クライアントの IQN を許可リストに追加したか
iSCSIポート(通常 TCP/3260)を公開しているか
※ 多くのミスは 「LUN作成までで満足」。
◆ イニシエータ側(Linux例)
systemctl enable --now iscsid
iscsiadm -m discovery -t sendtargets -p <TARGET_IP>
iscsiadm -m node --login
認識確認:
lsblk
恒久対策/再発防止チェックリスト
iSCSI構築手順を「ターゲット→イニシエータ」の順で固定
ターゲット側チェックリスト(IQN/LUN/マッピング)を作成
IQNを台帳管理(誰がどこから使うか)
CHAP有効時は両側設定を必須化
iSCSIポート疎通(TCP/3260)を事前確認
ストレージ側設定後に必ず「保存」
再起動後も自動ログインするか確認
multipath導入前に単純構成で疎通確認
落とし穴(やりがちミス)
LUNを作っただけでマッピングしていない
IQN許可を忘れ、接続拒否される
CHAPを片側だけ設定
ストレージ設定を保存せず画面を閉じる
イニシエータ側だけ延々と調査する
まとめ(行動指針)
iSCSIは
「見えない=向こう側の設定不足」
と疑うのが正解。
ターゲット作成 → LUN作成 → マッピング → IQN許可。
この4点を確認するだけで、
iSCSIが認識しないトラブルの大半は即解決できる。
