Chapter11:麻雀プロの妻が降級したときどんな声をかけるべきか
10月に入り、各団体のリーグ戦が最終節を迎えるなど、佳境を迎えている。そんな中で気になってくるのは、昇級と降級である。例えばサッカーJリーグにも昇格、降格はあり、降格が決まったチームの選手がピッチに突っ伏したり、スタンドでサポーターが咽び泣いたりする光景が風物詩だが、個人競技の麻雀も中々悲惨だ。自分の降級は100%自分だけの降級なのだ。誰にも分担してもらえない辛さだ。うちの妻も降級したことはあるが、こういう時、競技者以外で最も身近な家族はどういう声をかけてあげるべきだろうか。
「運が悪かった」と気休めは言いたくない
どんなに強いプレーヤーであろうと、降級しても何ら不思議ではない。それは麻雀の常である。リーグの最初から最後まで本当に運がなくて降級することもあるだろう。そういう意味で、「運が悪かったんだ」と励ますのは、間違っていないように思える。日本の美徳、KIYASUMEである。
しかし、一方で「運が悪かった」で済ませていいのか、と考える自分もいる。元々、麻雀は「知的なくじ引き」「戦略的なくじ引き」である。自分が有利になるように試行錯誤するくじ引きというか。だから、くじ引きで運が悪かったと言っても仕方がない。麻雀ははじめから運のよさ、悪さもビルトインされている無情な競技であり、「運が悪かった」で済ませるのは、一見妻を励ましているようでいて、むしろその世界に人生を賭けて飛び込んだ彼女を、愚弄しているような気がするのだ。
そしてそもそも論なのだが、私自身は放送対局以外、妻の対局を見られていない。妻が単純に運が悪かったのか、まだ改善の余地があるのか、わからない。
結局これしかない「ワンス・アゲイン!!」
もちろん、妻が話す「道中にこういうことがあって、それに対して私はこうやって…」という対局中に起きたことについて、こちら側も聞く準備はしている。よく言う「女性の話には共感しておけ」というやつである。私を使って、悔しかったリーグ戦の壁打ちをするがいい。
私自身に関して言えば、結局言えることは一つしかないことにたどり着いた。「ドンマイ! 仕切り直しや!」という、いわば発破をかける、ケツを叩くことだ。関西弁にする理由は特にないがこういう言い切るときに誠に使いやすいのだ。RHYMESTERもかつて歌っていた。「ONCE AGAIN」である
多くの人が言うように、麻雀の「強さ」はとてもわかりにくい。聞くところによると、何千半荘と繰り返さなければ、明確な強さは分からないらしい。にも関わらず、ほとんどのリーグ戦はわずか数十半荘で結果を出さなければならない。実力だけでは昇級させてくれない厳しい世界である。
だから、結局は同じことをやり続けるしかない。そう、強さの証明には「やり続けるしかない」のである。落っこちてきた崖に、また手をかけるほかない。性懲りも無く。先のRHYMESTERの「ONCE AGAIN」に「くじけなさは異常 ほとんどビョーキ」という好きなリリックがあるのだが、同じことを狂ったように繰り返すことができるのも、才能の一つだと思う。
妻は降級した直後は流石にしばらく塞ぎ込み、麻雀の話も減った気がしたが、また数日したら元の彼女に戻っていた。気力と体力が続くかぎり、どこまで落ちても、また崖に手をかけて奥歯をギリギリいわせながら登り続けてほしい。
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チップありがとうございます。妻が好きなシラス買って帰ります!