少し奇妙な、絵画みたいなアルバムアート集
Spotifyのプレイリストをスクロールする手が、思わずピタッと止まってしまう。そんな経験はありませんか?
音楽の「顔」であるジャケット。
なかでも、どこかノスタルジックで、おしゃれで、だけどちょっとシュールな生き物が描かれた「絵画風ジャケット」には、不思議な引力があります。
今回は、時代も音楽ジャンルもバラバラ。
なのに「ビジュアルの質感」という一本の線でつながる、大人のためのジャケアートを7枚厳選しました。
ジャケットから始まる不思議な音楽の旅へ、一緒に出かけてみましょう。
Cosmo Sheldrake 『The Much Much How How and I』
旅の始まりは、イギリスのマルチ奏者コスモ・シェルドレイクの作品から。色とりどりの魚がごちゃ混ぜになり、みっちりと配置された絵画が目を引きます。
コスモ自身が撮影・編集した魚や自然の映像・写真素材をもとに、制作チームがコラージュするように作り上げた世界とのこと。
彼自身、鳥の鳴き声や自然音をサンプリングして音楽を作っており、このジャケットはまさに「音がそのまま奇妙な絵本になった」ようなワクワク感があります。
ちなみに、収録されている「Come Along」はiPhoneのCMにも起用されました。
(Joana Queiroz, Rafael Martini, Bernardo Ramos) 『Gesto』
続いて迷い込むのは、ブラジルの深い森。
現代ミナス音楽を代表する名手たちが集ったアルバムです。
この幻想的なアートワークを手がけたのは、なんと日本の漫画家、逆柱いみりさん。
大きなキノコの木、楽器を弾く青い羽の妖精、そして川を泳ぐピンクのイルカたちが描かれています。
素朴で温かいタッチでありながら、どこか不条理でシュール、おとぎ話のような世界観が、浮遊感のある美しいアコースティック・サウンドとシンクロします。
King Crimson 『In The Wake Of Poseidon』
少しテイストを変えて、1970年代のプログレッシブ・ロックの金字塔へ。
この圧倒的な存在感を放つアートワークは、オランダのアーティストであるタモ・デ・ヨングによって描かれました。
古いヨーロッパの絵本の挿絵のようですが、描かれた12の顔は、土・風・火・水の自然要素や、人間のさまざまな多面性を表しています。
壮大で、どこか現実離れしたシュールな違和感を醸し出す、絵画ジャケです。
ELP 『Tarkus』
同じくプログレ界の名盤から、一度見たら忘れられない強烈なキャラクターを。
イギリスの画家・グラフィックデザイナーであるウィリアム・ニールの作品です。
もともとは彼が落書きで描いていた「アルマジロ+戦車」という奇妙なアイデアを、中心メンバーのキース・エマーソンがひと目で気に入り、そのままアルバムのコンセプト、そしてジャケットとして採用されたのだそう。
メカニカルなのにどこか愛嬌がある、おしゃれシュールの極みです。
Swans 『White Light from the Mouth of Infinity』
こちらは、少しダークで奇妙なサスペンス絵本の世界。
イラストレーターのデリック・トーマスが描くこのジャケット。
パッと見は海外の絵本に出てきそうな可愛いウサギなのですが、よくよく見ると足元には赤い水たまりが……。
すると、ウサギが持っているニンジンが凶器のナイフに見えてきて、ヒェーと戦慄します。
ちなみに作者本人は大のウサギ好きで、「ただウサギを描きたかっただけ」らしいのですが……そのギャップがまたシュールです。
Red Hot Chill Peppers 『The Getaway』
続いては、ぐっと現代のアメリカへ。
アメリカの画家ケヴィン・ピーターソンの『Coalition II』という絵画作品がそのまま使われています。
レッチリのボーカルのアンソニーがオンラインで偶然彼の作品群を見つけ、この絵に一目惚れ。
ジャケットに使いたいと直談判して実現したという、奇跡的なエピソードがあります。
少女、クマ、アライグマ、キツネが寄り添って歩く姿が、まるでレッチリのメンバーのようにも見えてきます。
ヨルシカ 『ブレーメン』
旅の終わりに辿り着くのは、日本の音楽シーンから、ヨルシカの『ブレーメン』。
アートワークを担当したのは、長年ヨルシカの文学オマージュ作品を手がけてきた共同制作者で、映像作家・アニメーション作家の加藤隆さん。
手書きの温かい質感と、今にも動き出しそうな躍動感が特徴的です。
グリム童話「ブレーメンの音楽隊」という古典的な動物のモチーフをベースにしながら、見事にデジタルアートに昇華させています。
「ジャケットの絵」で音楽を旅する
英国の魚の万華鏡を覗き、ブラジルのキノコの森を抜け、神秘的な12の顔やアルマジロ戦車に出会い、ウサギの不穏な絵本をめくり、動物たちと街を歩いて、ブレーメンの夜に辿り着く──。
音楽を聴く前に、まずジャケットにつかまってしまう。
そんなアルバムが、ときどきあります。
少し奇妙で、可愛くて、ほんの少し怖くて、でも妙に惹かれてしまう。
デジタル配信の時代だからこそ、たまにはそんな「大人の絵本」を開くように、音楽をディグってみるのはいかがでしょうか。
皆さんは、思わず手が止まってしまうようなお気に入りのジャケアートはありますか?
「このジャケットの雰囲気が好き!」「これもおすすめ!」というのがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
#音楽 #アート #デザイン #アルバムジャケット #ジャケ買い #レコードジャケット #ノスタルジー #シュール #絵本 #ヨルシカ
いいなと思ったら応援しよう!
いつも読んでいただきありがとうございます!!
少しでも「オモローい🤭」とか、ためになるとおもっていただけたら幸いです。
このご恩は『もっと面白い記事』と『耳に心地よいメロディ』でお返しします!