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【8章】step32 ビジネスとして欠落しているポイントはないか?確認しよう

この話は、ささいなキッカケから、「新しいこと」をはじめることになった高校生の2人組が、経営者や起業家、ユーザーの声をききながら、サービスをつくりあげていく物語です。

■ 主な登場人物

■ 前回のストーリー


第8章 「ビジネス」にする
ここまでの内容をビジネスにできるか、ビジネスにするのかをキャンバスにまとめよう!

step32 ビジネスとして欠落しているポイントはないか?確認しよう

数日後、例の如く、突然LINEで蓮人に呼び出された。4人は待ち合わせて蓮人の会社のオフィスへ向かっていた。

前回ここへ来たのがたった2ヶ月前のこととは思えない、と爽太は思いながら 心なしか少し緊張していた。詩と舜は初めて訪れるオフィスにがっつり緊張していた。そういえば、前回来た時は自分たちもこんなだったっけ。経験することで分からないことが分かるようになることって、本当に大切なんだな、と最近つくづく思う。

蓮人「やー、みんな。おっつかれ〜〜〜」

1ヶ月前にアイデア出しをした部屋で4人が座っていると、蓮人が入ってきた。相変わらず元気だ。その後ろにジョンもいた。

ジョン「ヘイ、ガイズ(Guys)。 一昨日の写真を見たよ。大繁盛じゃない、すごいね!」

ジョンがGoodマークをつくりながらみんなに元気よく話しかけた。詩と舜ははじめましての挨拶もした。

爽太「おかげさまです!写真、見てくれたんですね!」

蓮人「父さんからすぐに写真が送られてきてね。思わず社内連絡ツールでシェアしちゃったよ笑」

ジョン「君がデザインしたんだよね?ロゴもグッズも最高だったよ!ウチでバイトする!?」

ジョンがナイス!と褒めると舜は嬉しそうに照れた。


蓮人「それで、今日はね。もう終盤だよ!昨日、たまたまこの件を父さんと少し話してね。ちょうどいいタイミングじゃないか?って。これまで結構な数のテスト販売を終えた君たちに『ビジネス』について考えてもらいたいなと思ってるんだ。もちろん父さんや僕からのおせっかいかもしれないけど、君たちは今そのステージにいて、考え方を伝えられたらな、という思いなんだけど。」

爽太「とってもありがたいです!ぜひ考えたいですし、考え方を知りたいです。」

蓮人「いいね。じゃあ、今日のテーマはこれまでの内容を振り返って、君たちのジュースがちゃんとビジネスにできるか、できるとするならば、どのくらい大きなビジネスにするかを考えていくってことで決定だ。今日は『ビジネスモデルキャンパス』ってやつを考えていくよ。」

詩「ビ、ビジネスモデルキャンパス‥」

ジョン「みんなには聞き馴染みがないよね。難しく聞こえるかもしれないけど、要するにね、こういうことを考えていくんだ〜。」

ジョンはそういうと、ボードに大きく枠を描き始めた。

ジョン「ここに全部で9個のマスがある。それぞれを埋めて完成させていきたいんだけど、まずはお客さん‥つまり顧客と、バリュープロポジション‥つまり価値を確認していくんだよね。」

蓮人「健人、爽太くん、二人は、まだ詩ちゃんや舜くんがチームになる前、インタビューをした後に『インサイト』ってのを考えたのを覚えてるかい?うちに来て、ホワイトボードで説明をしたものなんだけど。」

健人「それって前に考えた事があるものだったよね。これかな…」

健人がパラパラとスケッチブックをめくる。

”一見すると健康を謳っているけどよく調べると実はそうでないもの、には流されないで生きている本当にこだわり持った健康思考のユーザーに対して、高校生2人が提供するような限られたリソースで、どうしたら本当に納得してもらえるジュースを提供することができるか?”

蓮人「そうだね。そして、その後、価値と顧客、ということについて『VPC』というチャートを書いたと思うんだよね。それと今回のビジネスモデルはとても関連しているんだよ。まずは、それを当てはめつつ、今回テスト販売してみてわかったことをあらためて再確認しておきたいかな。」

爽太「思い出しました!確か、丸と四角で書いた図でしたよね。改めて再確認かぁ。なるほど‥ やっぱりユーザーは、本当に健康を手に入れたい人、という感じなんでしょうかね。」

詩「そうね。で、価値はスケッチブックのここ、“見せかけの健康ではない新鮮なジュースを手に入れられる”という価値、よね。」

健人「そうだね。素材や提供内容を丁寧に伝える安心感、も当てはまるかな。やっぱり色々進めてきたけど、はじめに考えてきたこととあんまりズレはないのかもしれない。」

ジョン「いいね。つまり、安心と本物の健康を便利に手に入れられることが価値ということだね。」

ジョンがみんなの言葉をまとめてボードに書き足してくれた。その後も、ジョンや蓮人の協力もあり、ビジネスモデル・キャンバスを全て埋めて行った。

ジョン「じゃあ次。どんな風にこの商品を届けていこうか?」

蓮人「どんな風にっていうのはさ、じゃあまずこのジュースをどこでつくろうか、から考えてみようか。」

舜「テスト販売では爽太の家でしたけど、本格的にサービスにするのだとしたらそういうわけにはいかないですよね‥どうしよう。店舗を借りるとか?」

爽太「でもそんなお金は僕たちにはないよ。」

蓮人「実はうちのオフィスの近くに、新しいシェアキッチンができてね。そこは製造許可がついているそうだから、今の君たちにぴったりだと思って。大体どのくらいで借りられるのかプランが書いてあるシートももらってきたよ。」

爽太は蓮人からシートを受け取った。

月会費が2万円で1時間あたり1,000円で借りられるらしい。月会費2万円か‥と思っていたら 下に学割の記載があった。学割支援で半年間は月会費8,000円で借りられるようだ。

爽太「とてもありがたいし 現実的に考えられそうな場所です!ありがとうございます。」

詩「後でそのキッチンに行ってみようよ。すごくいい話な気がする。」

詩はそう言いながら 届け方にシェアキッチンの使用料をメモした。

健人「調理も販売もできる場所みたい。僕らは宅配などはしないで、近くの人にフレッシュさを届けていくことに専念しよう。」

蓮人「いいね。そしたら 今度はパートナーだね。価値を生み出し続けるために、君たちだけでは解決できないものを一緒に組める誰かを探すことだ。」

詩「誰を考えればいいんだろう…」

蓮人「そうそう、僕たちも提携会社としてパートナーになることを提案したいと思っていたんだ。もちろん、弟だからという理由ではなく君たちの事業をしっかり見極めた上での判断だよ。」

舜「わ、嬉しいです!」

爽太「ありがとうございます!ちなみにパートナーっていうのは食材や材料の調達をお願いする相手も範囲に入りますか?」

蓮人「もちろん」

爽太「実は、父さんから事業を進めていくなら知り合いの果物屋と八百屋を紹介してくれるそうで‥なんと カップも果物屋さんづてに問屋さんを紹介してくれそうなんです。」

ジョン「パーフェクト!君たちへの応援はいろんな人たちから入ってくるね。すごいなぁ」
ジョンの反応を見て、詩はパートナーの枠に内容を書き込んだ。
先日、みんなで決めた販売価格に加えて、ジュースの材料費やいろんな商品に関わる備品などを計算し、利益と費用をまとめ、最終的に一通りのビジネスモデルをキャンバスに記入することが可能になった。


ーこのステップのポイントー
・事業をするためには、商品に自分たちのアイデアを詰め込むだけではなく継続していくための要素をバランスよく考える必要があります。
・まずは考えられる部分からスタートし、何度も考えを深めながら少しずつキャンバスを埋めていく形で進めましょう。
・収支に関しては、精緻な計算を入れ込む必要はなく。概算でざっくりと計算すること。

ー考えてみようー
・バランスよく様々な要素を検討することで多様な視点を入れ込んでまとまりのある形を作り上げた経験はありますか?それはどんなものだったでしょうか?
・少しずつ何度も要素を検討していく中で成熟していくことを経験したことはありますか?それはどんな経験だったのでしょうか?


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