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決意の日

2023年3月8日。

引っ越しをした。

環境が変わったせいか、
それをきっかけにリルは、少しずつ食欲が落ちていった。

シニアなのに、負担をかけてしまったなぁ...。
と思いながら、なるべく一緒に過ごして、
ストレスをやわらげてあげようと心がけて生活していました。

もともとリルは、食にあまり興味のない子で、
パピーの頃から、ごはんを食べないことで何度も頭を抱えてきた。

病院で診てもらっても異常はなく、
「グルメなんだねぇ」と言われることがほとんど。
だから今回も、
(環境の変化のストレスはあるだろうけど、
またいつものが始まったのかな...?)
そんなふうに思っていた。

手作りのスープを作ったり、
リル用のつくねを作ってみたり。
思いつく限り、いろいろ試した。

ワクワクと安心をプレゼントして
元気づけてあげようと、色んなところに一緒に出かけたり、ひとりの時間が多くならないように気をつけたり。
新しい場所が、少しずつ日常になるよう心がけた。

元気はある。
でも、どうにも食欲だけが戻らない。

やっぱりストレスかなぁ。にしても結構続いてるなぁ。
そう悩みながらも、ほかに目立った症状はなかったので、ごはんを変えながら、様子を見る日々が続きました。

2023年4月8日。

引っ越しから、ちょうど1ヶ月。

その日は明らかに元気がなく、
「これはおかしい」と感じて、あらかじめ予約を入れていたはじめての病院へ。
そしてこの病院が、さいごの日までずーっとお世話になり続ける大切な場所になった。

診断は、慢性腎臓病(腎不全)。
炎症の数値も高かった。

「腎臓は一度悪くなると、治ることはありません。
こうなってしまうと...長くは生きられないです。」

その言葉を聞いた瞬間、
頭の中が真っ白になった。

半年前、地元で受けた健康診断では、
「腎臓の数値は少し高いけれど、
この程度なら治療は始めないし、問題ありません。今年も年齢の割にとても健康!」
そう言われていた。

それなのに、半年後には
「長くは生きられない」??

心を落ち着かせて、
ちゃんと現実を受け止めようと必死だった。

同時に、激しい後悔が押し寄せた。

私のせいだ。
私が引っ越したからだ。
もっと早く病院に連れていけばよかった。

実家には、母がいて、
リルの仲間だった、実家の愛犬ローリィもいて、
きっとあの場所でのほうが、ローリィもリルは幸せだった。

それなのに私は、
自分の都合で引き離してしまった。
引っ越すことが多かった人生。
私の人生に付き合わせて、振り回してばかりだった。

病院では必死に涙をこらえようとしていたけれど、
堪えきれない涙が、次々に溢れてきて困った。

外に出た瞬間、感情が爆発してしまった。
大通りで、
大きな声をあげて、鼻水も垂れ流しながら、わんわん泣いた。

でも、泣いていても仕方がない。
自分を責め続けても、何も変わらない。

ここから先、私にできることはひとつだけ。

これまで一緒に生きて、支えてくれたことへの恩返しをすること。
残された時間を私のすべてをかけて、
できる限り穏やかで、幸せなものにすること。

両鼻にティッシュを詰めて、
そう決意したのが、この日だった。

この先、何回も同じ大通りで、人目も憚らず泣くことになる。
我ながら、本当に変質者だ笑。

でも何回も泣くくらい時間を与えてもらえたという意味にもなるんだよね。

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