【番外編】待合室
闘病きっかけで通いはじめた病院は、
小さな病院だったので、
待合室でも飼い主さんとの距離が近く、
病気がちのシニア犬は常連になり、
みんな顔合わせると井戸端会議のようになっていた。
とてもアットホームで、みんなそれぞれキャラクターがあり、愛がたくさん溢れて、待合室の時間も私はとても幸せな時間だった。
リルが度々調子が悪く、ピンチな時は
『大丈夫!?』と駆け寄ってくれたり、ぐったりしながら静脈点滴を受けるリルの姿をみかけて、だまって撫でてくれたり。
『このこの長寿パワーあげるねっ』と言ってくれる方がいたり。
ごはん食べないと悩んでいると、あれはどう?これはどう?とアイディアをくれたり。
久しぶりに顔を合わせる方は
『わー!心配してたの!すごいねぇ、頑張ってるのね。えらいねぇ。』と気にしてくださったり。
ハイシニアの小さなわんちゃんを連れた飼い主さんは、
『何も食べなくなったから、アイスをあげちゃったの。』と落ち込んだ様子で言い、
私は『食べないより良いって先生行ってくれるんじゃないですか?うちはアイス三昧の日々だし、アイスどころか色んなものあげちゃってます。苦笑』と返したら、
『アイスまるまる一個食べさせちゃうからね...』と言い、
『い、いっこー!(それはまたすごい量!)笑』
と笑っちゃうような場面もあったり、
また別の方とは
私が『なかなかお世話してると、遊びに行くはもちろん、ちょっと映画観に行くとかも難しいですよね。今日見たい映画公開日だけどガマンっ』
なんて世間話の延長で話したら、
『近くの映画館ですよね?リルちゃん預かりますよ?今日行ってきてください。本当に!大丈夫だから。』と本当に預かってくださってびっくり。
リルは非日常大好きなので、
この日帰ってきた時、めっちゃくちゃ嬉しそうで、しばらく目をキラキラにしていた。
こんな風に
待合室でもたくさんの力をもらっていたので、
私もはじめての方が、
リルと同じ病気と診断され、落ち込んで待合室で項垂れている姿をみると、
『私も全く同じだったので、わかります。
先生たくさん考えてくれるので、心強い味方になってくれるし、リルのパワーもお裾分けします。一緒に頑張りましょうっ。』
と、皆さんにもらった言葉を真似して、
思わず声をかけちゃうようになりました。
優しい愛の連鎖が生まれている待合室だなぁ。
もう通わないのが寂しいなぁ。
先生や看護師さんにはご挨拶できたけど、
常連のわんちゃんや飼い主さん、みなさんひとりひとりにご挨拶したいくらい、思い出深い待合室の時間でした。
なんだかサザエさんやちびまる子ちゃんのような、ご近所さんの人間模様が楽しくて、アニメの世界に入り込んでいるような気分だったな。
