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雨でも、いちばん熱かった肉フェス最終日

推し活として初めて参加した肉フェス、その4日目にあたる4月29日は、まさに絶好のライブ日和だった。

快晴の空の下、「肉フェス2025 TOKYO」のお台場特設会場では、リアルアキバボーイズ(RABのダンスステージが行われ、朝から多くのアーティストが出演するスケジュールもあって、大盛況。

普段の単独ライブとは違い、観客席にはオタ芸を打つ男性の姿も数多く見られた。

広々とした野外ステージと客席の間には開放感があり、RABのアニソン×ダンスのスタイルが、より一層映える。

この日、初めて現地でRABを観たという観客も、きっと多かったのではないだろうか。

野外という舞台は、彼らの魅力を一段と際立たせていたように思う。


そして、肉フェス最終日の5月6日。

この日は、RABメンバー2人(ムラトミさん、Dragonさん)とDJとのさんによるラップユニット、Salt Communication(ソルコミ)の出演日だ。

しかし、朝から雨が降り続いており、止む気配はない。

野外フェスでの雨はほとんど未経験だったが、傘は使用できないらしい。

濡れることを極力避けたい自分としては、まずゴルフ用のレインウェアを着て家を出る。

だが、想像以上に雨が強く、このままでは帽子がびしょ濡れになりそうだった。

そこで百円ショップに立ち寄り、フード付きのかっぱを手に入れて会場へと向かうことにした。


肉フェスお台場特設会場(NIKU ROCK FES)に到着したのは、ソルコミの出演予定時刻の1時間ほど前。

ステージでは、RABのゾマやかじゃないさん(ゾマさん)によるDJタイムが終盤に差し掛かっていた。

RABのメンバーにDJプレイができる人がいるとは知っていたが、実際に目にするのはこの日が初めて。

選曲も、RABの「踊ってみた」動画で使用されていた楽曲で、ゾマさんが主役の、自分にとっても馴染みのある曲もかかった。

ステージ上で曲に合わせて踊れるというのは、大きな強みに思える。

傘はステージ近くでは禁止されており、観客たちはそれぞれレインウェア姿でDJのパフォーマンスを楽しんでいた。

自分はといえば、着いたばかりということもあって、どう振る舞えばいいのかわからず、やや斜め後ろの位置で傘を差したまま、その様子を眺めるのみ。

その後、ROOKiEZ is PUNK’Dという、伸びやかな声が印象的なロックグループと、DJぽにょ皇子 with 過激波電脳東京によるパフォーマンスが続いた。

どちらもタイプは異なるが、いずれもノリの良いステージで、おそらくファンも多かったのではないだろうか。


そしていよいよ、目当てのソルコミが次に登場する時間が来た。

ステージの準備が始まる中、ソルコ民(ソルコミのファン名称)もどんどん前方に集まり始め、見知った顔が増えて、少し安心。

ライブが始まる直前、傘を邪魔にならない位置に置き、フードをしっかり被り直した。

そして、ついにソルコミの3人がステージに登場する。

3人とも、なぜか、とても嬉しそうな顔をしていた。

雨の中でも駆けつけてくれたソルコ民たちの姿が、愛おしく映ったのかもしれない。

ライブの幕開けは、よく聴くお馴染みの2曲だった。

声も出せて、テンションは上がる一方。

雨は相変わらず降り続いていたが、不思議なことに、自分の記憶の中では、その時間帯に雨が降っていた、という実感がほとんどない。

それほどまでに、会場全体が一体となり、熱を帯びていたのだ。

ソルコミメンバー:左から、Nasty Muuuraaa(ムラトミさん)、T2B (DJとのさん)、D5(Dragonさん)

そして、「ジュ〜ッ」という網の上で肉が焼ける音が響いた瞬間、全身の血が騒いだ。

ソルコミの定番曲、「肉食男子」である。

肉フェスでは毎回披露されているということだが、まさにこの場にぴったりの一曲だ。

ステージ後のソルコミの公式SNSでも、雨の中での来場への感謝と共に、この曲が綴られていた。

それだけ、彼らにとっても、肉フェスに欠かせない特別な一曲と言える。


初めて聴く人は、驚いたに違いない。

焼肉をイメージさせる歌詞に加え、「焼いて、焼いて!」というフレーズに合わせて、メンバーと観客が一斉にスクワットをし始めるのだから。

頭に被っていたフードは、いつのまにか外れており、帽子はむき出し。

顔にも雨が当たっている。

にもかかわらず、それがまったく気にならない。

とにかく、スクワットが楽しい。

身体も、場所が広いせいか、いつもより自由に動けるような気がした。

ちょうどムラトミさん(ムラさん)の動きがよく見える位置だったこともあり、こちら側もステージから見えているのではないかと思った。

そう感じた瞬間、スクワットは自然と、さらに深くなっていく。

想いの強さが、そこに現れると感じたのだろうか。

周囲を見ても、いつもの室内ライブのときより、皆のスクワットが一段と深い。

まるで、その動きに想いを込めて、全力で推しに届けようとしているかのようだった。

それをステージの上から見ているムラさんの表情が、どこか誇らしげにさえ思えたのは、自分の願望なのかもしれない。


とにかく、雨の中にいることを完全に忘れさせてくれた、貴重な時間だった。

そして、大満足のままソルコミの出演時間が終わる。

だが、雨を忘れさせる体験には、まだ続きがあった。


ソルコミの後に登場したのは、「二人目のジャイアン」というバンド。

そのボーカルのマサさんは、RABの武道館公演でボーカルの中心的な人物でもあった。

もちろん、観てみたかったグループではある。

とはいえ、テンションはソルコミ前の状態に戻っていたので、傘を差せる場所に移動して観ることに。

もう、気持ちも身体も、ピークは過ぎた、と思っていた。

ステージが始まると、野外で雨に降られたことがない、と言っていたマサさんは、雨を吹き飛ばしてやると言わんばかりに、凄まじい迫力の声で歌い上げる。

バンドの演奏もその声を引き立てるように響き、とにかく素晴らしかった。

RABの踊ってみた、でもお馴染みの曲だったこともあり、観客の乗せ方は、さすがの一言。

これはもう、マサさんのコミュ力の高さの賜物だろう。


そして、あの武道館ライブでも流れた曲が始まる。

気がつくと、自分は傘をそこらに投げ出し、歌詞に合わせてポーズを取りながら、皆と一緒に声を合わせていた。

さらに、武道館で、RABの最初の5人だけで踊った曲がかかる。

ちょっとずるい。

ソルコミで萌えた耳に、あの曲を聴かされてしまっては、武道館ライブの記憶が一気に蘇ってくるじゃないか。

加えて、あのときの想いをフラッシュバックさせるような、マサさんの声。

雨に濡れるのが嫌だったはずの自分が、皆と一緒に濡れながら、いつのまにか、はしゃいでいた。


雨天の中で傘を使わないという行動には、想いの強さが必要だ。

誰が出ているか、何を歌っているか、そして、そこに自分の想いを目一杯込められるかどうか。

それだけのことなのだが、これまでの人生には無かった体験だ。

この日、かなり濡れながらも、歌い笑える自分を初めて知った。

推しのチカラ、そしてソルコミとソルコ民の爆発力に心が震えた、雨の肉フェス最終日。


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