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#018|「味」の多くは舌じゃなく鼻で決まる?|体・技術・暮らしの雑学3選

「おいしい」って、舌で感じていると思っていませんか。僕もずっとそう思い込んでいました。でも僕たちが「味」と感じているものの大半は、実は舌ではなく“鼻”が作っているらしい。今日は味と香りの話から、「Bluetooth」の由来、魔法瓶の正体まで。最後は新車のあの匂いのゾクッとする噂でしめます。

「味」の正体は、舌より鼻にある?

僕たちが「味」だと感じているものの多くは、実は舌の味覚ではなく、口から鼻へ抜ける“香り”が作っています。これを後鼻腔性嗅覚(こうびくうせいきゅうかく)と呼びます。

食べ物を噛むと生まれた香りの分子が、喉の奥から鼻へ抜け、嗅覚センサーを刺激します。舌が感じる甘い・しょっぱいといった基本の味に、この香りが重なって、はじめて「風味」になる。米国立衛生研究所(NIH)傘下のNIDCDも、風味は基本味に熱さ冷たさ・食感、そして香りが組み合わさって作られると説明します。

鼻をつまむと味がぼやけるのも、香りの通り道がふさがれるから。イェール大学の研究チームは、この仕組みを3Dモデルで再現してみせました。

もう一段。学校で見た「舌の味覚地図」——甘味は舌先、苦味は奥、という図を覚えていませんか。あれ、実は誤りだとされています。米国神経科学学会が運営するBrainFacts.orgによると、舌のどこでも五つの基本味(甘・塩・酸・苦・うま味)をほぼ同じように感じられる。僕もすっかり信じていました。

10秒で誰かに話すなら——「味の大半って、実は舌じゃなくて鼻で感じてるらしいよ。鼻をつまむと味がぼやけるのがその証拠」。飲みの席で鼻をつまんで一口いくと、一発です。

Photo by Liana S on Unsplash

「Bluetooth」は、ある王様のあだ名

スマホでおなじみの「Bluetooth」。この名前、実は10世紀のデンマーク王の“あだ名”なんです。

Bluetooth公式サイトによると、由来はハーラル1世という王。「青歯王」の異名で知られ、958年にデンマークとノルウェーを統一したと伝わります。1996年、インテルの技術者ジム・カーダックが新しい無線規格の名前を探していたとき、「王が北欧を一つにまとめたように、我々もPCと携帯電話をつなぎたい」とこの王の名をコードネームに。それがそのまま正式名に定着しました。

さらに驚くのがロゴ。あの青い記号は、公式サイトによれば古い北欧のルーン文字ᚼ(ハガル)とᛒ(ビャルカン)の合字で、ハーラル王のイニシャル「H・B」を表しています。名前もマークも、王様そのものだったわけです。

では、なぜ「青い歯」なのか。ここは諸説あってはっきりしません。歴史メディアのThe Collectorによれば、王の歯が暗い青に見えたという記録が伝わる一方、青いベリーを好んだせいという説もあり、確かな定説はないそうです。

10秒で誰かに話すなら——「Bluetoothって、実は北欧を統一した王様のあだ名なんだよ。ロゴもその王のイニシャルをルーン文字で書いたやつ」。イヤホン相手にどうぞ。

魔法瓶の中は、ほとんど「空っぽ」

熱いお茶が冷めにくい魔法瓶。その秘密は、二重の壁のあいだが“ほぼ真空”なことにあります。

サーモスの公式サイトによると、ステンレス製の魔法びんは内と外の二重構造で、あいだが高真空になっています。真空には熱を伝える気体の分子がほとんどない。だから触れて伝わる熱(伝導)も、空気が運ぶ熱(対流)も断てる。内壁に放射率の小さな金属膜を施せば、飛ぶ熱(輻射)も反射して逃がさない。熱の逃げ道をまとめてふさぐわけです。

この仕組みを最初に形にしたのは、英国の化学者ジェームズ・デュワー。英国王立研究所によれば、彼の真空フラスコは1892年のクリスマスに初公開されたもので、二重フラスコの首を密閉してあいだを真空にした構造でした。のちに外側へ銀めっきを施し、熱の損失を最小に。今の魔法瓶と同じ発想です。

熱の扱い方という点では、以前の記事#005|冷蔵庫は「冷やす」機械じゃない?とも地続きだと僕は思います。あちらは熱を“移動させる”話、こちらは“断つ”話なんですよね。

10秒で誰かに話すなら——「魔法瓶の中ってさ、壁のあいだがほぼ真空で空っぽなんだよ。熱を運ぶ空気がないから冷めにくいんだって」。温かい飲み物を持ってきた人にどうぞ。

今日の引き出し、3つ

味の多くは鼻が作り、Bluetoothは北欧の王様のあだ名、魔法瓶の中はほとんど真空。僕の引き出しが、今日もまた3つ増えました。どれか一つでも、話したくなっていたら。

今日の都市伝説:新車のあの「匂い」

新車のドアを開けたとき、ふわっと香るあの独特の匂い。あれは内装のプラスチックや接着剤から出る有害な化学物質そのもので、本当は体に悪いのに人はなぜか「良い香り」と感じてしまう——そんな噂があります。メーカーがわざと演出して「新しさ」を感じさせている、とも囁かれます。

実際のところ、あの匂いの正体が内装材から揮発する有機化合物(VOC)であるのは事実で、時間とともに薄れていくとされます。ただ、ふつうに使うぶんには健康を脅かすほどの濃度ではないとされ、「香りを人工的に加えている」という話にも確かな証拠はありません。あくまで噂。でも次の新車では、あの匂いの正体を思い出すかも。

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