『昼と闇の共同経営』
空に浮かぶ城には、太陽と月が同時に出ていた。
そんなはずはないと人々は言うが、
心の世界では、矛盾はよく同居する。
この城には、魔女と大天使が住んでいる。
魔女は言った。
「私は綺麗すぎる心を見つけるのが得意だ。
白すぎる心は、すぐ割れる」
大天使は言った。
「私は悪に染まりきる心を見つけるのが得意だ。
黒すぎる心は、光を忘れる」
だから二人は同じ城に住み、
人間の心の温度を調整している。
白に一滴の墨を。
黒に一筋の光を。
均衡は、そうやって保たれている。
——はずだった。
だが魔女は時々、やりすぎる。
「ちょっとだけの影」が
「日食レベルの闇」になることがある。
そのたびに大天使が飛んでくる。
「濃い!!濃すぎます!!」
「芸術だ」
「分量の話です!!」
城のバランスが崩れかけると、
太陽が月に飲み込まれそうになる。
すると魔女は毎回こう言う。
「安心しろ。お前が怒鳴りに来るところまで計算だ」
「計算に私を含めないでください」
今日も世界は、だいたい保たれている。
だいたい、である。
今回のショートショートのお題、正直かなり難しくて、めちゃくちゃ悩みました😂
頭の中で何回もひっくり返して、捻って捻って、やっと形になったお話です。
月と太陽が同時にある空を見た時に、「善と悪は対立じゃなくて、役割分担かもしれないな」と思ってこの物語を書きました。
楽しんでもらえたら嬉しいです☺️
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最後まで読んでくださって、ありがとうございました😌
