【コラム】今年の安全、何を「優先」すればいいのか
年始の建設現場で、安全担当が最初に決めるべきこと
年始の現場で、安全担当が一番迷うのは、
「何から手を付ければいいのか分からない瞬間」ではないだろうか。
年が変わっただけで、
急に危険の種類が増えるわけではない。
それでも、年始というだけで、
安全のハードルが一段上がったような感覚になる。
今年はこれもやらなければ。
あれも強化しなければ。
制度も増えたし、社会の目も厳しい。
だが、ここで一つ、
安全担当として一度立ち止まって考えたい。
年始の現場で、本当に優先すべき安全は何なのか。
年始の建設現場は「不安定」が前提
年始の現場は、
通常運転に戻るまでに、必ずズレが生じる。
体が鈍っている
段取りを忘れている
作業の勘が戻っていない
久しぶりに会うメンバーで連携が噛み合わない
これは、誰の責任でもない。
長期休暇があれば、必ず起きる“前提条件”だ。
にもかかわらず、
そこに普段と同じ、あるいはそれ以上の安全要求を
一気に重ねてしまうと、
現場は簡単にパンクする。
年始に必要なのは、
「新しい安全」よりも、
「戻す安全」だと、私は思っている。
優先順位①:作業の基本が守られているか
年始に最初に見るべきは、
新しい制度や注意喚起ではない。
声掛けはできているか
合図は省略されていないか
手順を“分かったつもり”で進めていないか
こうした基本動作の緩みこそが、
年始災害の入口になる。
高度な対策よりも、
「当たり前の確認」を丁寧にやる。
これを最優先に置くだけで、
年始の事故リスクは大きく下がる。
優先順位②:現場の“焦り”を抑える
年始は、工程も気持ちも前に進みがちだ。
休み分を取り戻したい
工期が詰まっている
早く通常ペースに戻したい
この焦りは、
安全対策そのものを雑にする。
安全担当が年始にやるべき仕事は、
「注意を増やすこと」ではなく、
スピードを一段落とす理由を用意することだ。
「今週は慣らし期間」
「今日は確認重視でいこう」
そう言葉にしてくれる人がいるだけで、
現場の動きは驚くほど変わる。
優先順位③:全部を背負わない
年始は、安全担当自身も疲れている。
休み明けで頭が切り替わらない中、
一気に責任を背負おうとすると、必ず無理が出る。
だから私は、
年始に「全部完璧にやろう」とするのをやめた。
今年はここだけは外さない。
それ以外は、深追いしない。
この割り切りは、
手抜きではない。
安全を続けるための判断だ。
年始に決めておきたい、たった一つのこと
年始に、安全担当が決めておくべきなのは、
細かい対策の一覧ではない。
「今年は、どの安全を軸に考えるか」
それだけでいい。
軸が決まれば、
判断に迷ったとき、立ち返れる。
現場に説明するときも、ブレなくなる。
一年の安全は、
年始の数日で方向が決まる。
だからこそ、
全部やろうとせず、
まずは一つ、守り切る安全を決めたい。
あとがき(安全担当の皆様へ)
安全担当の仕事は、
評価されにくく、迷いの多い仕事だ。
それでも、
年始に立ち止まり、
「何を優先するか」を考えた時間は、
必ず一年のどこかで効いてくる。
今年も、迷いながらでいい。
ただし、独りで抱え込まないことだけは、
忘れないでほしい。
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