アメダス学園~個性的な生徒たち
茨城アメダス学園は、茨城県にある中学校です。生徒は、学級委員の水戸君、最近注目を集めることが多いつくばさんなど14人。アメダスの観測地点数と同じです。
今日は「気温テスト」の成績発表の日です。この学校では、暑ければ暑いほど点数が高くなる、少し変わった採点方法を採用しています。
🏆絶対王者のエリート
成績がトップだったのは古河君でした。彼は以前から成績が優秀です。過去10年間の成績を並べても、トップ3を独占しています。去年は、アメダス中で過去最高となる40.6度を記録しました。
古河君の家は県西部の内陸にあります。このため、海風が届きにくく気温が上昇しやすいという背景があります。エリートの家系で英才教育を受けて育ってきたようです。
「絶対王者」として、得意げな古河君。クラスのみんなも、羨望のまなざしを向けています。そんな中、メガネの奥で静かにライバル心を燃やしている生徒がいます。鉾田さんです。
🍈闘志を燃やす農家の娘
鉾田さんはちょうど真ん中の7番目。学校ではあまり目立たない存在ですが、実は努力家の一面があります。45年間という長期でみると、気温の上昇幅は5.5度でトップになります。
古河君は4.1度で5位。鉾田さんのほかに5度以上伸びている生徒はいません。
鉾田さんの家は台地の上にある砂地にあります。水はけの良い土地を利用して、家では代々、農家を営んできました。野菜の出荷額は全国1位の常連です。
乾いた地面の影響で熱が逃げにくく、気温が上昇しやすい環境で、じわじわと成績を伸ばしてきました。エリートではないけれど、地道に努力を続ける。そんな鉾田さんは、今後台風の目になるかもしれません。
🍹クールな外見…熱い思い
クールな顔をした人気者の北茨城君。昨年は最高気温が35度以上の猛暑日はゼロで、最近は「避暑地」として注目を集めているようです。しかし、45年の長期で見ると、負けず嫌いの素顔が垣間見えます。
北茨城君の最高気温の上昇幅は4.6度で、クラスの中で3位に入っています。
海と山に挟まれている北茨城君。海風に冷やされやすいわけでも、常に暑さに見舞われる地域でもありません。長期的な温暖化の影響は静かに成績表へ刻まれていました。
🍷最近あか抜けた? でも中身は変わらず
つくばさんは、最近みんなから「あか抜けてきたね」と言われます。都会風の見た目は、みんなの憧れ。クラスメートからは「東京の学校に通ってそう」などとからかわれることもあります。
21年前、家の近くにつくばエクスプレスが通るようになり、東京に通勤する人たちが増えてきました。つくば市は学園都市として整備され、人口は20年前に比べて3割以上増えています。
人口が増えればビルが建ったり、地面が舗装されるなどして「ヒートアイランド現象」が起きるようになります。それでも、45年間の気温の上昇幅は下から3番目の3.6度。変化はほとんど見られません。
つくばさんの家は、開発が進むつくば市の中でも緑地が残る「舘野」にあります。このため、都市化の影響が比較的少ないようです。中心部で計れば、つくば市の気温はもう少し上昇傾向にあるとみられます。
「見た目は都会的だけど、中身は昔と変わらない」
それも、つくばさんの魅力なのかもしれません。
