【vol.10 ~検査・告知編~】会社への報告
いつも就業開始よりも30分前には出勤していた私。
その日は40分前に出勤した。
それでも上司はもう既に出社して仕事をしているのだから、業務外の相談をしやすくてとても助かる環境だった。
まずは部署責任者の上司の席に、病理検査の結果の用紙を持っていく。
「おはようございます。すいません…ちょっとガンが発覚いたしまして…。」と報告する。
「えっ!!」と大きい声を出して驚く上司。
病理検査の用紙をまじまじと見つめて、
「今は身体は大丈夫なの?」
と聞かれる。
今は特に大きな問題はないこと。治療方針を決める為に、平日に何日か休みを頂きたい事などを伝えると
「何よりもご自身の体調を最優先してください。治療の為であれば、遠慮なく通院して下さい」といってもらえた。
その後、1番面倒を見てくれている先輩が不穏な空気を察して「大丈夫?」と声をかけてくれた。
病院の検査の事も少し話していたので、
「絶対大丈夫だと思ってたんですけど、乳がんでした…」と報告すると、
「あとで時間を作るのでゆっくり話しましょう」と言ってくれた。
すごく優しく対応して貰えた感謝の気持ちと、この環境を失うかもしれない気持ちでやっぱり胸がぎゅっと苦しくなった。
研修が終わって、先輩と話す時間がやってきた。
社交的でたくさんのお知り合いがいて、今までたくさんの病気を抱える方と接してきたキャリアがある先輩。病気への理解や知識が潤沢にある方なので、私が説明するよりも先に理解して「こういう状況だよね?」とごちゃごちゃの私の頭の中をまとめてくれた。
乳がんの治療がどんな感じで進んでいくのか。
保険の申請の効率のいい順番。
などなど、ネットで調べる情報が多くてごちゃごちゃになっていた私の頭の中はスッキリと整理できた。
「先輩…私働きたいんですけど、働いてもいいんでしょうか?」
と、恐る恐る聞いてみると
「今ステージが2Bで抗がん剤をしないなら、ホルモン療法だけなら働けると思う。でも、抗がん剤をするなら正直負担が大きいからオススメは出来ないかな」
と伝えられた。
働けるかの判断は【抗がん剤】なのか…。
私のサブタイプはルミナールAのステージ2Bだから、ホルモン療法が有効って言われたし、リンパ節転移なさそうだから手術してホルモン療法の可能性が高いって言われたし、なんか…働けそう?と、不安で一杯だった心の霧が晴れて前向きになれた瞬間だった。
この先輩がいる職場に、このタイミングで就職出来た事は本当に奇跡のような出来事だったと今でも思えます。
