【vol.7 ~検査・告知編~】 人生鬼ハードモードスタートだどん
2026年4月
新しい職場での勤務が開始。
今までは個人事業主としてマネジメントや店舗運営、自らのスキルを武器に働いてきましたが、身体の不調も色々と出てきたので、社会保険に加入しながら、安定した生活リズムの仕事がしたい…。
そんな思いから、某大手生命保険会社の事務員として転職をしました。
コロナ前までは、外資系保険会社の外交員をしていた事もあり、保険の重要性やその仕事に携わる事へのやりがいも感じていたので、納得感のある職場を選べて、正直舞い上がっていました。
そんな喜びも束の間の事になるとは、その時は想像もしていなかったのです。
そしてその時はやってきました。
2026年4月11日(土)
「結論から言うと、乳がんです」
いつもの先生がお休みで、クリニックの院長先生からの告知でした。
正直、油断してました。
今までの経験上、
「やっぱり大した事なかったよ〜!」
のお決まりのパターンだと思っていたからです。
「…え?ガンですか?」
思わず自分の口から溢れ出た言葉は、自分が用意していた言葉とは別のもので、拍子抜けしたような、情けない声だったことを覚えています。
それから、私のガンは乳がんの中でも特殊型で【浸潤性小葉ガン】という乳がん全体の5%~10%の人しかならないガンということ。
このガンに罹患しているのは、閉経後の50代以上の人が多いので、38歳という年齢で罹患するのは更に珍しいということ。
先生があの時に違和感を持って、MRIをしよう!と提案してくれた事がファインプレーであること。
ある程度進行しないと見つからない乳がんであること。
ガンの顔付きは比較的穏やかで、ルミナールAというサブタイプということ。
病理検査とMRIの所見だとステージは2Bくらいかな?という進行度であるということ。
淡々と小冊子に沿って、先生が一つ一つ丁寧に説明してくれる内容を集中しながら、じっと聞いてました。
「良性でした」って言われるものだと思っていたので、想定外の内容に正直手にぎゅっと力が入って身体の緊張が解けませんでした。
そんな様子に気付いた院長先生から
「ここまでが一通りの説明になりますが、大丈夫ですか?」
と優しい声で問いかけてくれました。
「非常にわかりやすい説明でした!」
と、仕事モードというか外面の良さを出す時に使うキャラクターが自然と出ていました。
多分、そのモードが1番その時の自分の心を守れたんだと思います。
その後、どこの病院をかかりつけ医にするかとか、病院の予約の手配とか事務的な話を一通り終えて、家に帰りました。
自分の事なのに、どこか他人事のような気持ちで、脳内で【ガンになったらやるべき事】のページを捲り、保険証券ファイルを開きました。
一時金が入ってくる保険と医療保険に加入している事を確認して、申請方法などを黙々と調べました。
何か考えたり、調べたりすることで余計な事を考えないようにしていたんだと思います。
自分の経済的な状況や、保険という武器の情報を自分の中でまとめて、次に考えた事は【家族に伝えるかどうか】でした。
私は隠し事をする事が苦手な性格なので、心配をかけたくないから。迷惑をかけたくないから。といった理由で黙っていたにしても、「何か隠している」ということは、おそらくバレるので面倒なことになる前にさくっと伝えた方がいいな…。
と、深い深呼吸をして母親に電話。
「お母さん、今家にいる?」
その時の声は、きっといつもと変わらない声で電話出来ていたと思うのですが、母親の声がとろけるように甘く聞こえた事は覚えています。
