『アート・オブ・スペンディング・マネー』が教えてくれた、後悔しないお金の使い方
お金の心配は、たぶん一生続くものです
お金の心配が尽きる日は、きっと来ないのだと思います。
誰でも多かれ少なかれ、「これで足りるのだろうか」「もっと貯めた方がいいのでは」と考えながら生きています。
それだけお金は、私たちの生活や安心感に深く結びついている存在なのだと思います。
そんな中で読んだのが、モーガン・ハウセルの『アート・オブ・スペンディング・マネー』でした。
前作の『サイコロジー・オブ・マネー』が「どう貯めるか」に重きを置いていたのに対し、今回は「どう使うか」に焦点が当たっています。
正解のない「お金の使い方」を考えるということ
本書を通して一貫しているのは、「お金の使い方に正解はない」という姿勢です。
その代わりに、後悔の少ない選択をするための考え方を、いくつも提示してくれます。
読者自身が、自分にとっての納得解を見つける。
そのためのヒント集のような一冊だと感じました。
なぜ人は、高価なものに惹かれるのか
特に印象に残ったのが、「人はなぜ高価なものに惹かれるのか」という話です。
筆者はこう言います。
私たちは、利便性そのものよりも、それによって得られる他人からの注目を重視しているのだと。
もちろん、それがすべて悪いわけではありません。
高価なものを身につけることで自信がついたり、ある程度の信頼や権威を示せる場面もあると思います。
ただし、それはジャンクフードのようなものだとも筆者は言っています。
満足感は強いけれど、一時的で、長くは続かないのです。
本当に価値のある買い物とは何か
本当に価値のあるものは、長い時間をかけて、静かに私たちの心を満たしてくれます。
だからこそ買い物をするときに、
誰のためのものか
どれくらいの期間、使えるのか
どれほど生活を良くしてくれるのか
こうした視点で考えることが、後悔しない買い物の指針になるのだと感じました。
幸福とは「期待と現実のギャップ」である
もうひとつ、強く心に残った考え方があります。
それは、「幸福とは、期待と現実のギャップに過ぎない」という言葉です。
人は、手に入らないものほど欲しくなります。
でも私たちの脳が本当に求めているのは、新しいモノそのものではなく、それを手に入れるまでの期待感やプロセスなのだそうです。
だから、新しいものを手に入れても、また次が欲しくなる。
この欲望のラットレースからは、なかなか抜け出せません。
トースターの話と、小さな気づき
実は最近、少し高価なトースターを買いました。
買った直後は満足していたのですが、
「別の機種の方がよかったかも」「新型が出たらしい」
そんな情報が目に入るたびに、だんだん色あせて見えてきたのです。
でも冷静に考えると、以前は電子レンジのオーブン機能でパンを焼いていました。
時間もかかるし、焼き加減も正直いまひとつでした。
それが今では、驚くほどおいしく焼けています。
それなのに、私は「すでに得た満足」より「まだ持っていないもの」に意識を奪われていました。
執着は、脳のクセだと知るだけで楽になる
本書を読んでから、その執着は自分の性格ではなく、脳の特性なのだと理解できました。
そう思えるようになると、不思議と今のトースターに感謝できるようになりました。
すると、日々の食事そのものにも感謝が向くようになり、
以前よりも、穏やかで満たされた時間を過ごせている気がします。
執着することの無意味さに気づけたことは、私にとって大きな収穫でした。
お金の使い方は、生き方そのものです
この本には、お金の話を通して、人生全体の幸福度を高めるヒントがたくさん詰まっています。
今回は特に心に残った部分だけを書きましたが、続きはまた後日まとめたいと思います。
少しでも気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
きっと、自分のお金の使い方を、やさしく見つめ直すきっかけになるはずです。
ちなみに、自分はこの本をKindle端末で読みました。
軽くて持ち歩きやすいし、ちょっとした待ち時間にもサッと取り出して読めるので、読書を習慣にしたい人にはおすすめです。
読書を「知識のネタ帳」にする。そう思うだけで、本を開くのがもっと楽しくなりますよ。
