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フリーランス人気にブレーキ?一部フリーランスに見られる正社員化希望

約2年前にお話した若手に蔓延するフリーランス人気ですが、ここに来て正社員になりたいフリーランスが複数観測されています。大きな流れに繋がる可能性もあり、何が起きているのかについて整理していきます。

フリーランスデザイナー・ライターの正社員化

ある企業さんでは、ここのところコンスタントに毎月5名以上のデザイナーやライターさんが入社しています。特にデザイナーは正社員採用しにくい職種だと思っていたので意外でした。

この会社の人事の皆さんと雑談ベースでディスカッションをしたのですが、下記のようなものが背景としてありそうです。

  1. 元々フリーランスになりたい理由は「いつでもどこでも働ける」という「自由」を求めたものだったが、フルリモート、フレックスの企業であれば概ね叶っている

  2. コロナ禍の長期化により案件獲得が困難になった

  3. 自由と引き換えに生活レベルをギリギリまで削ったところに円安が長期化し、生活が厳しくなった

  4. ちらつくインボイス制度のハードル

様々な職種や年商が入り混じった調査ではありますが、下記のLbose社の調査では専業フリーランスの14.9%が「企業に入社する」と回答しています。今後、影響が予想されます。

こうした背景に対し、根拠のある正当な年収提示をフルリモート、フレックスと合わせて提示するとフリーランスの正社員採用ができるようです。なお、フルフレックスでなくてもコアタイムが短めであったり、育児や介護にたいする理解を示すことができれば特段障壁にはならないようです。

新卒即未経験フリーランスの人生相談が多く発生している

先だってTwitterでは新卒から即フリーランスになったり、未経験フリーランスのキャリア相談が相次いでいるというお話がありました。いくつかご紹介をします。

前述した背景と共に生活が苦しくなり、結果としての正社員化希望なようです。しかしながら新卒からいきなりフリーランスになると、多くの場合は育成されることを本人が放棄された状況と言えることから、積み重ねてきた経験も簡易作業から進化しない傾向にあります。そのため、正社員化も一筋縄には行かず、苦戦します。

著書でも触れていますが、2018年からプログラミングスクール、その後の情報商材・オンラインサロン商法の勃興と共にフリーランスがいたずらに礼賛されました。新しい働き方と打ち出され、前述した「いつでもどこでも働ける」というキャッチコピーと共に広がっていきました。

必ずしもこれらのプログラミングスクールやオンラインサロンに入会しなくとも、SNSやYou Tubeを始めとする広告や空気感だけで「これからはフリーランスかも知れない」という空気を信じてしまっているケースは少なくありません。一度信じた夢物語な言説を払拭するには、圧倒的に現実に打ちのめされるしか無いのではないかとも感じています。

経験者エンジニアフリーランスの正社員転職は限定的

一方、経験者エンジニアではまだフリーランスからの正社員転職はゼロではありませんが限定的です。コロナ禍であっても案件獲得に苦労することが少ないためと考えられます。

地方在住ITエンジニアの皆さんへのインタビューでは、フリーランスの方も含まれていますが、皆さんTwitterDMやYOUTRUSTをきっかけに受注しており、フリーランス紹介エージェントや媒体は使っていないということが印象的でした。色々な会社との契約になるため短期で終了することもあるそうですが、エージェントを使わずとも需要が高いモダン言語の経験者であれば案件は途切れないとのことです。

未経験フリーランスとしてキャリアをスタートするリスク

Twitterでも同時に議論されていた話ですが、会社の仕組みを知る機会としての就職というのは重要です。数ヶ月でフリーランスになる場合も分からないのですが、Web制作やプログラミングの場合であればどのように意思決定がなされ、どのように開発が行われリリースに至るのかまでは把握することが望ましいです。さらにはSESやSIer、Web制作会社といった受託の会社で営業から納品まで何回か経験した方がフリーランスになるのがゴールであれば望ましく、それには数年かかる印象です。

石の上にも三年とは言いませんが、短期で契約を背負う前に世の中の仕組みを理解しておいた方がうまく立ち回れるのは確実です。

経験者フリーランス→正社員のアンチパターン

一方、職種を問わずフリーランスから正社員になる際に問題になるパターンも見られるようになりました。

フリーランスから正社員化する際、保険や福利厚生の兼ね合いがあるため年収据え置きで正社員化するケースよりは、いくらか減額の上で入社するケースがあります。ここまでは良いのですが、時折耳にするのが下記のパターンです。

  1. フリーランス時代の取引先との契約を切ることができず副業として入手朝期の企業に入社 ※この際、副業コミット分に伴う残業時間確保の影響などを鑑みて差し引いた金額で契約しがち

  2. 現職が忙しくなる、もしくはアウトプットについてのプレッシャーにより副業に悪影響がある

  3. 副業を諦めざるを得なくなる

  4. トータルで予定していた収入を下回り、家族の反対に遭う

  5. 転職、もしくはフリーランスに戻る

企業体力が大きなところを除くと、給与に対して求められるバリューは大きなものになります。特に中間管理職以上になるとバリューの期待値が青天井になる中小の組織は少なくなく、短期離職に繋がりやすい傾向にあります。

フリーター、派遣といった往年のムーブメントからのキャリアの流れの理解

弁証法に則って考えると、歴史は繰り返すものです。フリーランスの流行と衰退を考えていくと近いところでは1980年代末期のフリーター、2000年代前半の派遣の礼賛に近しいものがあるように見えます。

いずれも「新しい働き方」と称して正社員を否定しながら非正規化を煽っていくというスタイルのものでした。このあたりは当時ものの資料を見ながら引き続き深ぼっていきたいと想います。真剣に下記のフリーター映画を見たいのですが、どなたか見かけたらご一報ください。ビデオデッキを探すところから始めます。

noteやTwitterには書けないことや個別相談、質問回答などを週一のウェビナーとテキストで展開しています。経験者エンジニア、人材紹介、人事の方などにご参加いただいています。参加者の属性としてはかなり珍しいコミュニティだと思っています。ウェビナーアーカイブの限定公開なども実施しています。

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