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【詩】ギターがいない部屋

ギターはそこにない
でも壁にはまだ
曇った音の輪郭が残っている

光の抜けた午後
埃をまとったソファの端に
君が座っていた形だけが
かすれた折り目になって残ってる

風が吹けば
カーテンが揺れて
あの日の白い光と影をなぞるけど

濁った銀の弦音は もう聴こえない

時計の針が
時間じゃなく
にじんだ記憶の断片を刻んでる
窓辺に届く陽が
少しずつ 音もなく薄れていく

君が言ってたね
「音は空気に染み込むのよ」って

だから今でも
この沈黙は 色を失ったざわめきで満ちている

君がいない
僕は、
僕は居る、残っている

ギターがいない
君もいない
でもこの部屋だけは
君の声で 淡くくもった透明に響いている

それだけが
今の僕にとっての音楽なんだ

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