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Vol.30 「いい健診施設」の選び方。きれいさや豪華さは、本当に大事なことではない。


人間ドックを選ぶとき、何を基準にしますか。立地の良さ、内装の清潔感、豪華な食事、充実したオプション検査——そういった情報はウェブで簡単に調べられますし、印象に残りやすい。気持ちはよくわかります。ただ正直に言うと、その基準だけで施設を選ぶのは、レストランを内装だけで選ぶのに似ています。本当に大事なことは、見えないところにあります。

公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会は、2004年から「人間ドック健診施設機能評価」という第三者評価制度を実施しています。現在の最新バージョンはVer.5.0。書面審査と訪問調査員(サーベイヤー)による実地調査の2段階で、約100項目以上にわたって施設を評価し、基準を満たした施設に「機能評価認定」を与えるものです。認定は5年ごとに更新審査があり、一度取ればおしまいではありません。評価の中核には、①安全で正確な検査が行われているか、②健診当日に医師から直接結果の説明があるか、③専門スタッフによる保健指導があるか、④結果後のフォローアップ体制があるか——という4つの柱があります。

たとえば「比較読影が行われているか」という視点がここに含まれます。前回のコラム(Vol.29)で触れたように、胸部レントゲンや腹部エコーは過去の画像と比較することで初めてその変化が見えてきます。また「検体検査の精度管理が確立されているか」という項目も評価対象に含まれます。血液検査一つをとっても、検体の取り扱いから測定機器の管理まで、適切に運用されているかどうかで結果の信頼性が変わります。外から見ればわからない、地味で見えない部分です。

この評価制度が完璧だとは思っていません。認定施設が全国に数百施設ある一方で、未受審でも質の高い施設はありますし、認定を持っていることがすべての保証にはなりません。ただ、施設選びの客観的な参考指標として、現時点で最も整備されたものの一つです。近くの認定施設を探したい方には、日本人間ドック・予防医療学会監修の一般向けウェブサイト「e人間ドック」(https://www.e-ningendock.jp/)で地域別に検索できます。

もう一点、見えにくいけれど重要なことがあります。当日の結果説明です。検査をして郵送で結果が届くだけの施設と、当日に医師が直接説明する施設では、受診者が「次の行動」に移る確率が大きく変わることが分かっています。予約を取る前に「当日、医師から直接説明を受けられますか」と電話で一つ聞いてみてください。この質問への答え方が、施設の本質的な質を測るシンプルな指標になります。

豪華なロビーと美味しい食事は、受診体験を快適にします。それ自体は悪いことではありません。ただ、健診の本来の目的は「あなたの体の変化を正確に把握し、必要な行動につなげること」です。その目的のために設計されている施設かどうか——その問いを持って施設を選ぶことが、何年にもわたって関係を続けるに値する場所を見つける第一歩だと思っています。

出典:
公益社団法人日本人間ドック・予防医療学会「人間ドック健診施設機能評価 Ver.5.0」https://www.ningen-dock.jp/
e人間ドック(認定施設検索)https://www.e-ningendock.jp/

*noteの記事の内容は筆者の個人としての見解です。筆者所属の医療機関の見解とは一切関係ありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、万が一不適切な内容がございましたらご指摘いただけましたら幸いです。

#健診・人間ドック #施設選び #健診施設機能評価 #質

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