見出し画像

Vol.20 朝食を抜いた日、あなたの脳は省エネモードで動いている


「朝は忙しくてコーヒーだけ」という方、案外多いですよね。

でも、朝食を抜くことが健康に与える影響は、思っているより大きいのです。

まず脳の話から。脳のエネルギー源はブドウ糖だけです。就寝中に絶食状態が続いた脳は、朝食によって初めて燃料を補給します。朝食を食べないと午前中の集中力・記憶力・判断力が低下するという研究結果が複数あり、「朝から頭が回らない」のは気のせいではありません。

次に体重への影響。「朝食を抜けばカロリーが減って痩せる」と思われがちですが、実際は逆のことが多いです。朝食を抜くと昼・夜にまとめて食べる傾向が強くなり、総摂取カロリーが増えやすくなります。また、長時間の空腹状態が続くことで代謝や食欲調節ホルモン(レプチン・グレリン)のバランスが乱れ、脂肪を溜め込みやすい状態になるという機序も指摘されています。

さらに見落とされがちなのが、体内時計への影響です。朝食は末梢時計をリセットするタイミング信号の一つです。6日間連続して朝食を抜いた若い男性では、体内時計の指標である深部体温リズムが約42分遅延したという研究があります(Park et al., 2020)。体内時計のズレは夜の入眠が遅くなることにもつながります。

完璧な朝食でなくていい。卵1個、バナナ1本、小さなヨーグルト——それだけでも、食べないよりはるかにマシです。

5分でいい。朝食という「自分への投資」の時間を確保してみてください。

出典: Park I, et al. "Skipping Breakfast for 6 Days Delayed the Circadian Rhythm of the Body Temperature without Altering Clock Gene Expression in Human Leukocytes." Nutrients. 2020;12(9):2797. PMID: 32932677.
厚生労働省 e-ヘルスネット「朝食の欠食」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html

*noteの記事の内容は筆者の個人としての見解です。筆者所属の医療機関の見解とは一切関係ありません。内容の正確性には細心の注意を払っておりますが、万が一不適切な内容がございましたらご指摘いただけましたら幸いです。

#食事 #朝食 #脳 #血糖値

いいなと思ったら応援しよう!

ドクターO 公益性も考え、私のnoteでの記事は、一部を除いて無料公開しております。 活動の原資は皆様からのご厚意・サポートとなりますので、応援しても良いよ、とお感じになられた方はよろしければサポートをお願いいたします!!