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「読書家」でなくても、物語はつくれる

小説を書くには、たくさんの本を読まないといけないんじゃないか?
文学的な知識がないと無理なのでは?

小説執筆に踏み出せない理由として、よく挙げられるのが「読む量が足りないから」というもの。でも、これは本当に正しいのでしょうか?

結論から言えば、小説をあまり読んでいなくても、物語は書けます。少なくとも僕は、「15年近く本を読んでいなかった人間」ですが、いまは長編小説を完成させ、賞レースにも挑戦しています。

今回はそんな僕の経験をもとに、「初心者でも物語を紡げる理由」と「どのようにして物語を書けるようになったか」を綴ってみたいと思います。


「読書」よりも「想像」が物語を生む

僕が最後に熱心に本を読んでいたのは、中学〜高校時代。朝のホームルーム後に設けられていた「読書の時間」が習慣のきっかけでした。でも、大学に入るとホームルームという時間などあるはずもなく、本を読むことはほとんどなくなってしまいました。

その代わりに夢中になったのが映画です。

映画館でアルバイトを始めたのをきっかけに、それまで「なんとなく好き」だった映画が、どんどん深い趣味になっていきました。スクリーンの向こうで展開される物語に心を動かされるうちに、いつしか「自分ならこう展開させる」「この人物が犯人だったら面白いのに…」といった想像のスイッチが入るようになったんです。


小説に必要なのは「文学的知識」ではない

映画や漫画もそうですが、どれだけ映像が美しかったり、絵が上手だったりしても、物語そのものが面白くなければ、人は離れていくんです。
映像も、演出も、セリフも──結局は「面白い展開」がなければ、作品は支持されません。

これは小説もまったく同じです。

どれほど文学的に美しい言葉を並べても、物語が退屈なら、読者の心には届かない。
つまり、小説を書くうえで**最低限必要なのは、難しい知識や文学的教養ではなく、「物語をどう構成するか」**という一点に尽きると、僕は感じています。

物語は、構成が命。

どんな表現で飾っても、芯となるストーリーが通っていなければ、読む側はすぐに見抜いてしまいます。
逆に言えば、構成がしっかりしていて、読者が「先を知りたい」と感じる展開を用意できれば、文章の技巧は後から磨けばいいのです。


「参考書」は、本屋に並んでいた

とはいえ、小説の書き方なんて習ったことはありません。
文体、段落、改行の位置、感嘆符の使い方……わからないことだらけでした。

でも、ある日ふと本屋の小説コーナーを眺めながら思ったんです。

「ここに教材、山ほどあるじゃん」

改行のタイミング、テンポある会話、感情の描写、緊張と緩和のつけ方……プロの技が丸ごと1冊の中に詰まっているんです。だから僕は、分からないことがあるときは、まず好きな小説を手に取って「どう書いているか」を見るようにしています。

そして、読み手にちゃんと届く言葉を選ぶこと。
僕は、小学校高学年でも意味が通じるくらいの文体を意識しています。

難しい言葉を並べるより、誰にでも伝わる言葉で、明確に想いを届ける
これは小説だけでなく、コミュニケーション全体に通じる大事な原則かもしれません。


まとめ

長編小説を書くには、特別な才能や文学知識が必要だと思われがちです。
でも僕は、「物語を想像し、形にしてみたい」という気持ちがあれば、誰にだって小説は書けると信じています。

事実、僕は読書から離れて15年。小説の書き方なんて知らずに、ゼロから物語を紡いできました。
必要だったのは、「面白い展開を考える想像力」と「伝えるための言葉を選ぶ力」だけでした。


次回予告:「面白い展開って、どう作るの?」

とはいえ、「面白い展開って、どう考えればいいの?」と思う方もいるでしょう。
次回は、物語を面白くするための思考法・構成の組み立て方についてお話しします。

▼その前に、僕の短編小説もぜひ読んでみてください。
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~あらすじ~
出産に“免許”が必要な社会で、少女・葉月は山奥でひっそりと育てられていた。世界を知らずに生きてきた彼女は、やがて母の秘密と「出産免許制度」の存在に直面する。これは、制度の外で守られた愛と、名前しか持たなかった少女が自分の居場所を探す物語。

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