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yuru_chocola
最低二万里 #毎週ショートショートnote
蝋がとけ、イカロスは落下していった
「ハァイ! 溺死5分前となりましたので、あなたの人生の総合データをお伝えしまぁす」
ぽん、と天使が現れた
真っ逆さまに落ちながら
「今っ!?」とイカロスが聞く
「今でーす。えっと、イカロスさん15歳、生きた日数5519日。食べたパンの数13986個、総排便量5.2トン、総移動距離2986里……」
「まって、ピンとこない。例えば最後の……総移動距離? それって多いの、少ないの?」
「少ないですね。最低二万里は移動しないと立派な人生とはいえません」
僕の人生が立派じゃないだと?
なんたる屈辱
……まてよ。この天使、僕が溺死すると言っていたな
転落死じゃない!
ならば何としてでも泳ぎ切って、生きぬいて、最低二万里移動してやる!
「あれ? 死亡3分前のはずなのに何かおかし」
ドボン、水しぶき
……
神話上イカロスはここで死んだことにされた
なぜならその後の彼の人生はエーゲ海のように穏やかで特筆すべきものがなかったから
イカロス、人生の総移動距離、三万里以上
了
(444文字)
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