【教員時代エピソード】やんちゃくんが固まった言葉
小学校教員時代、私の担任したクラスにとってもやんちゃなSくんという男の子がいました。
落ち着きのなさはピカイチで、とにかくウロチョロウロチョロ・・・。
教員経験も浅く未熟な私は、毎日のように彼の対応に手を焼いていました。
極めつけは教育委員会の訪問日。
校長先生とともに、お偉いさん方がぞろぞろと私のクラスに入って来られました。
国語の授業中。
Sくんは、はりきって手を挙げます。
指名されて発表したのは良かったのですが、その後もはりきって挙げるけど
次は当てられない。
その次も当てられない。。
そして
気づくと・・・
私の真横にいる!!
なんと、一番前の席だったSくんは、手を挙げても当てられないことに腹を立て、椅子に座ったまま机ごと前進して黒板にピタッ!!
もちろん、私が何を言おうと下がる気なし。
教室の後ろには校長先生と教育委員会の方々。
あの光景は忘れられません。
ひとりの男の子に振り回され、学級もうまくまとめられず、教育委員会の前でも失態をさらす、、
その日の私は、そんな自分にがっかりしてもう呆然。もぬけの殻状態。
そんなとき、Sくんとふたりきりになり、思わず本音がポロリと出ました。
「ねえ、先生はSくんのこと大好きなんだよ。」
すると・・
落ち着きのないSくんが固まりました。
「え?そうなの??」
「そうだよ!好きだけん今日の授業中もSくんのこと当てたかったけど、Sくんばっかりは当てられないでしょ?」
と、心のままに話しました。
Sくんはびっくりしたような顔で私の話を聴いていました。
私はSくんの目立った行動ばかりを注意したりほめたりしていて、Sくん自身のことが好きで、大事に思っているというその気持ちを伝えていなかったんですね。
そして、彼の反応を見て、言わないと伝わらないということが痛いほどわかりました。
決してその後、Sくんの行動がガラリと変わったわけではありません。
でも、私の根底にある気持ちを知ってくれているということが、それまでとは大きく違いました。
私自身の方は、不思議なもので「好き」を伝えてからSくんへの対応が変わったと思います。
これって、子育ても同じかなあと思います。大好きだからこそ気になる我が子の行動。
そんな「大好き」の気持ちを何気ない日常の中で口に出して伝えていくことって、とても大切なのではないかと、10年以上も前の出来事を思い出して感じました。
