こんなスクラムマスターが書いています
スクラムマスターとしての悩みや学びを、これまでいくつかこのnoteに書いてきた。でも考えてみたら、「そもそも自分が何者で、どんなチームを見ているのか」を一度も書いていなかった。というわけで、今さらながら自己紹介しておきたい。
きっかけ:記事を読んでもらう前に、前提を揃えておきたかった
これまで書いた記事も、これから書く記事も、たぶんどれも「今まさに悩んでいること」「試している最中でまだ答えが出ていないこと」が中心だ。そういう話は、書いている本人の立場や、見ているチームの状況によって受け取られ方がかなり変わるんじゃないかと思っている。
だからこそ、一度ちゃんと自己紹介とチーム紹介をしておきたい。この記事さえ読んでもらえれば、「こんな状況のチームで、こんなSMがこんなことを考えているんだな」という前提を持った状態で、ほかの記事も読んでもらえるはずだ。
経歴の話:エンジニアとして7年、スクラムは「まねっこ」から
自分は小規模の会社でエンジニアをしていて、2026年時点で社会人7年目になる。ここまでの業務の中心は、React・TypeScriptを使ったフロントエンド開発、REST APIの開発、それからバックエンドの計算処理系の実装だ。いわゆる「手を動かすエンジニア」としてのキャリアが長い。
スクラムとの関わりで言うと、実は結構前からスクラム的な動き自体はしていた。ふりかえりをやったり、デイリースクラムっぽい朝会をやったり。ただそれはあくまで「まねっこ」だった。本を読んだり聞きかじったりした知識をベースに、チームで見よう見まねでやっていただけで、スクラムマスターという役割を専任で置いている体制を経験したことはなかった。
スクラムマスターになった話:あの3人チームが忘れられなくて
自分がスクラムマスターになったきっかけには、ひとつ原体験がある。
新卒のときの研修でアジャイル開発・スクラムについて学び、エンジニアとして配属された最初のチームで、実際にスクラムっぽい進め方を経験した。そのチームには、開発者とは別にPO兼SMのような役割を担ってくれる人がいて、進め方の面をずっとサポートしてくれていた。
当時の開発チームは3人体制。中途で大企業から転職してきた中堅エンジニアと、若いけれどとても優秀なベトナム人エンジニア、それに自分。国籍も経歴もバラバラなメンバーだった。
それでも終盤には、言葉にしなくても分かり合えるような、阿吽の呼吸で進められるチームになっていた。カンバンボードやお互いの様子を見れば、次に自分が何をやればいいかが自然と判断できる。誰が何を拾うかをいちいち相談しなくても、手が回っていく感覚があった。
面白かったのは、3人の得意分野がきれいに噛み合っていたことだ。中堅エンジニアは品質の高いコードを書く。ベトナム人エンジニアはこのプロジェクトでの経験が一番長く、複雑なモジュールも触ってきたのでドメイン知識が厚い。自分は若さと勢いで、いろいろなものを大胆にTRYしてみる。それぞれの強みが、自然と補い合っていた。
今振り返っても、あれは本当に楽しい経験だったと思う。
問題はその後だった。別のチームや場でも、デイリースクラムやふりかえりを自分なりに試してみたのだけれど、あのときと同じような感覚は一向に得られなかった。後輩たちにも同じ経験をさせてあげたいと思っていたのに、それができない自分がいて、正直かなり悔しかった。
その差はどこから来るんだろうと考えたときに、ひとつの仮説にたどり着いた。「専任のスクラムマスターという存在がいるかどうか」が、実は大きいんじゃないかという仮説だ。
この仮説をどうしても検証してみたい気持ちと、ちょうどベトナム人メンバーを含む新しいチームが立ち上がるタイミングが重なった。それで、自分から手を挙げてスクラムマスターになった。それから約1年半、今のチームは2チーム目になる。
今のチーム:PO日本人、SM自分、DEV日本人1人+ベトナム人2人
現在のチーム構成はこうだ。
PO:日本人
SM:自分(日本人)
DEV:日本人1人+ベトナム人2人
実はこの構成、1チーム目とまったく同じ枠組みだった。ただし、DEVの日本人メンバーは1チーム目とは別の人で、1チーム目のあいだにメンバーの入れ替わりがあった。背景に深入りするつもりはなくて、「事実として交代があった」ということだけ、ここでは軽く触れておきたい。

働き方:常時ビデオ通話をつなぎながら、英語で運営
チームの運営言語は英語だ。POと自分は日本人だけれど、DEVにベトナム人メンバーがいるので、チーム内のコミュニケーションは基本的に英語で行っている。
働き方としては、普段からビデオ通話を常時つなぎっぱなしにしながら作業するスタイルを取っている。何かあったらすぐ声をかけられる、隣に人がいるような感覚を、オンラインの中でもなるべく作りたいという狙いがある。
おわりに:今後どうしたいか
自分がどういう経緯でスクラムマスターになったのか、今どんなチームを見ているのか。これで一通り伝えられたと思う。
これから書いていく記事は、この前提の上に乗った話になる。「PO日本人・SM自分・DEV日本人1人+ベトナム人2人、英語運営で常時ビデオ通話をつないでいるチーム」という状況を思い浮かべながら読んでもらえると、個別の悩みや試行錯誤も、もう少し具体的にイメージしてもらえるんじゃないかと思っている。
答えが出ていない話も多いと思うけれど、そういう「悩みながらやっている途中経過」を、これからも書いていきたい。
