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勉強というと、
どうしても点数や偏差値の話になりやすいです。

もちろん、それらは大切です。
中学受験を考えるなら、成績を無視することはできません。

けれど本当に育てたいものを考えたとき、
勉強の価値は、点数だけでは言い切れないように思います。

なぜなら勉強は、
ただ知識を増やすためのものではなく、
自分の頭で考え、迷い、立て直し、また進む力を育てる時間でもあるからです。

今日は、「勉強を通して育てたいのは“生きる力”」というテーマで、
学力の先にあるものを一緒に考えてみたいと思います。

・点数の先にあるもの

勉強の本当の意味について解説します。

受験が近づくほど、
親も子も、結果に意識が向きやすくなります。

何点取れたか。
偏差値が上がったか。
どの学校が見えてきたか。

それは現実として、とても大事です。
でも、勉強の意味をそこだけに置いてしまうと、
子どもの知性はだんだん細くなってしまうことがあります。

勉強を通して本当に育つものは、
覚えた知識だけではありません。
わからないものに向き合う力、
途中で投げ出さずに考える力、
できない自分を立て直す力です。

発達科学では、計画する、注意を向ける、情報を保つ、切り替える、誤りを見直すといった実行機能が、学校での学びだけでなく、その後の生活全体を支える基盤的な力として整理されています。

勉強は「正解する訓練」だけではない

勉強が苦しくなると、
子どもは「早く正解すること」ばかりを目指しやすくなります。

すると、
間違えないことが最優先になり、
考えることそのものが弱くなっていきます。

でも本来、勉強は、
正解にたどり着く前の時間にこそ意味があるはずです。

迷うこと。
わからなさに留まること。
自分なりに試してみること。

そうした時間の中で、
子どもは少しずつ、
答えを出す力ではなく、生きていくための力を身につけていきます。

・生きる力とは何か

この文章でいう生きる力について解説します。

ここで言う「生きる力」は、
立派な言葉や大きな理想ではありません。

もっと日常的で、
もっと地味なものです。

うまくいかないときに、
すぐ自分を全部否定しすぎないこと。

わからないことがあっても、
そこで思考を止めきらないこと。

困ったときに、
自分の状態を少し見つめられること。

必要なときに助けを求めながら、
それでも自分で引き受ける部分を持てること。

OECDのLearning Compass 2030は、教育の目標を単なる知識獲得に限定せず、ウェルビーイングやエージェンシー、自分の人生や社会に前向きに関わる力まで含めて捉えています。

子どもが将来使うのは、知識だけではない

受験で覚えた内容のすべてを、
そのまま大人になって使うわけではありません。

けれど、
勉強を通して身につけた姿勢は残ります。

うまくいかないときにどうするか。
難しいものを前にしたとき、
逃げるのか、固まるのか、それとも少し考えてみるのか。

そうした向き合い方は、
勉強だけではなく、
人間関係や仕事や、その後の人生にもつながっていきます。

だからこそ、
勉強は「学校のため」だけのものではなく、
その子がこれから生きていくための練習でもあるのだと思います。

・知識より先に守りたいもの

生きる力が育つ条件について解説します。

ただし、生きる力は、
厳しく鍛えれば育つというものでもないように思います。

不安が強すぎるとき、
評価ばかりを意識しているとき、
子どもは考えるより先に、自分を守ろうとします。

すると勉強は、
知性を育てる時間ではなく、
傷つかないための時間になってしまいます。

ユネスコは、感情を扱う力、他者との関係を築く力、責任ある意思決定、難しい状況への対処といった社会情動的な力を、学びの土台となる重要な能力として位置づけています。

安心があるから、考えられる

子どもが本当に考え始めるのは、
安心しているときです。

間違えても大丈夫。
途中でも見捨てられない。
できない日にも、価値まで否定されない。

そう感じられるとき、
子どもの知性は少しずつ動き出します。

反対に、
いつも急かされ、評価され、
失敗がそのまま関係の緊張につながる環境では、
思考は続きにくくなります。

生きる力を育てたいなら、
まず必要なのは根性ではなく、
考え続けられるだけの安心なのだと思います。

・親が見たいのは「結果」だけではない

親の視点について解説します。

親としては、
どうしても結果が気になります。

それは当然です。
現実の受験がある以上、
点数を見ないわけにはいきません。

でも、結果だけを見ていると、
子どもの内側で起きている大事な変化を見落としやすくなります。

前は「無理」としか言えなかった子が、
「ここまではわかる」
「ここで止まった」と言えるようになる。

前はすぐに閉じていた子が、
少しだけ考え続けられるようになる。

こうした変化は、
すぐに点数にならないこともあります。
けれど、実はそのほうが、
あとから長く効いてくる変化なのだと思います。

受験の中でも失いたくないもの

受験では、
効率や結果が求められます。

だからこそ、
気をつけていないと、
勉強がただの競争になってしまいます。

けれど本当に大切なのは、
競争の中でも、
子どもが自分の頭を使うことをやめないことです。

自分で問いを持つこと。
わからないものに少し留まること。
苦しいときに、自分を全部見失わないこと。

そうしたものが残るなら、
勉強は単なる受験対策ではなく、
その子の人生を支える経験になるのだと思います。

まとめ

勉強を通して育てたいのは、
点数だけではありません。

本当に育てたいのは、
わからないものに向き合う力、
迷いながら考え続ける力、
うまくいかないときに立て直していく力です。

それは派手ではありません。
けれど、そういう力こそ、
その子がこれから長く生きていく中で支えになるのだと思います。

だから、
「何点取れたか」と同じくらい、
この子は勉強を通して、どんな力を育てているだろうと見てみたいのです。

その問いを持てるだけで、
勉強の見え方も、
親の関わり方も、少しずつ変わっていくのだと思います。

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