20250608 関東第一高×大阪桐蔭高(関東第一高等学校創立100周年記念親善試合)
これまでにも、横浜高校×東京大学、市立船橋×木更津総合、そして早実×日大三などなど
前日の夜、興奮で眠れなくなるような試合を何度も観てきた。
でも、今日の試合はその中でも特別だった気がする。
というか、正直なところ……過去いち寝れなかった。

大阪桐蔭×関東一高。しかも江戸川開催。
もうこの文字列だけでご飯3杯いける。
さらに会場がチャリ15分の場所ときた。
これはもう……行くしかない、いや行かない選択肢がない。
ってことで、数日前から休暇申請済み。
社会人としての理性より、アマチュア野球ヲタクとしての本能が勝った。
ただ、ひとつ問題があった。
それは「何時に行くか」。
正直、当日の朝までずっと悩んでいた。
一応、6時に起きて試合開始の2時間前、7時には球場に着くつもりでいたのだが――
目が覚めたのはまさかの4時。
「お前、そんな甘くないぞ。高校野球ファンは」と、まるで野球の神様にたたき起こされたような気分だった。
結局そのまま準備をして、5時ごろには出発。
球場に着いたのは5時半すぎ。
「いや、さすがにこの時間なら余裕でしょ」と思いながら現場に着いてみると――

すでに15人くらい並んでた。
……え、みんな何時から来てんの
高校野球ファン、ガチ勢すぎて震える。

今日のプログラム
でもまぁ、あのまま予定どおり6時半に行ってたら普通にアウトだったな。
結果的に開場は6時48分。
野球の神様に4時に起こされたおかげで、無事に最前列の神ポジ確保できました。感謝🙏

9時半から第1試合開始予定だったが、8時過ぎた時点で内野スタンドはほぼ満席。


試合が始まる頃には、外野には立ち見の観客がずらり。
まるで「甲子園が江戸川にやってきた」ような光景だった。
この試合への注目度の高さが、会場全体の熱気からも伝わってきた。


試合前の記念撮影も終わり、いよいよプレーボール。
この日は2試合が行われたが、この記事ではそれらをまとめて、チームごとに振り返るスタイルでお届けしたい。



まずは試合結果から


第1試合
関東第一5-4大阪桐蔭
第2試合
大阪桐蔭1-0関東第一
1勝1敗でこの注目カードは幕を閉じた。

まずは、大阪の英雄・大阪桐蔭。
実は、私にとってはこれが“初・生桐蔭”。
まず驚いたのはシートノックだった。
全力送球に、流れるような一連の守備。
どのプレーもキビキビしていて、一つひとつの動きにムダがない。
エラーがないからこそ、あの滑らかなリズムが生まれるのだろう。


まずは投手陣から。
今日投げた3人とも素晴らしい内容だった。
第一試合で先発し、完投したのはエース・中野大虎くん。
とにかくテンポが良く、ストレートは左右・高低どこにもしっかり投げ分けていた。

時折見せる笑顔からは、エースらしい余裕も感じられた。
試合の中盤からは、スライダーなど変化球も低めに決まり、関一打線をうまく翻弄。
ただ、4回裏には3番・越後くんにホームランを浴び、5回にも追加点を許して逆転を許す展開に。
やや高めに浮いたボールを見逃さなかった関一打線もお見事だった。
それでも、内容的にはかなり良く、彼自身にとっても収穫の多い一日になったはずだ。

続いて、2試合目に先発したのは2年生の𠮷岡貫介くん。
まだ下級生ながら、堂々たるピッチングを披露してくれた。
この日はスピードガンの表示がなかったけど、ストレートは明らかに力強く、悉く空振りを奪っていった。
関一打線からは空振りの山。3回までパーフェクトピッチングという圧巻の立ち上がりだった。
あとから高校野球ドットコムの記事を見たら、なんと最速147キロをマークしていたらしい。
要所ではスライダーも低めにしっかり決まり、緩急の使い分けもうまかった。
公式戦の経験はまだ多くないけれど、伸びしろしか感じない。
これはもう、“未来の怪物”と言いたくなるようなピッチングだった。

そして継投で登板した佐井川湧牙くんも、4イニングを無失点に抑える好投を見せた。
特に印象的だったのがスライダー。
キレ味が抜群で、打者の反応を見てても明らかに効いていた。
先発でもいけそうな力があるし、こういうタイプの左腕が控えてるのはチームにとって相当大きい。
改めて、大阪桐蔭の投手層の厚さを思い知らされる内容だった。

野手陣でまず感じたのは、とにかく「見逃しが少ない」こと。
ストライクゾーンに来た球は、ほぼ必ず振っていた。
「振らなきゃ始まらない」っていう意識が全体に徹底されてる感じだった。

第1試合では、1番・宮本楽久くんがいきなりやってくれた。
オープニングピッチをしっかり捉えて、ライト前へ。
球場内にはどよめきが広がった。
打席に入る前の体重移動を意識した動きや、無駄のない打撃フォーム。
柔らかく振り抜くスイングは、西武・源田を思わせるものがあった。

あと特に感じたのは、みんな打球の弾道がとにかく高い。
4番・吉野颯真くん、5番・上田真望くんといったスケールの大きい選手たちを中心に、打球がとにかく“えぐい”。
あの体格、あのスイング――どうやったらそんな強い打球が打てるのか、普通に練習風景を見学したくなるレベルだった。

しかし、課題も明確に。
守備の乱れから逆転を許し、左腕へのけん制死も3度。
細部の詰めが夏への鍵を握る。
だが、それでも思う。
このチームならやってくれる――。
王者・大阪桐蔭、頂点への準備は、もう始まっている。

続いて、関東一高。
桐蔭のシートノック中、その様子をジッと観察している姿が印象的だった。
少しでも良いところを吸収しようという姿勢は、昨夏の甲子園で準優勝を果たしたあとも変わらない。
こうした地道な姿勢が、次の結果につながっていくのだろう。

まずは投手陣から。
第1試合で先発したエース・石田暖瀬くんは、初回に先制点を許す苦しい立ち上がり。
やや制球に苦しみ、緊張も見えたが、徐々に変化球が低めに決まり始め、2回以降は無失点で踏ん張った。
相手は強豪・大阪桐蔭。
簡単にはいかない相手だったが、その中での粘投は大きな経験になるはず。
やはり大舞台では初回の入りがカギ。ここをどう乗り越えるかが、今後さらに飛躍するためのポイントになりそうだ。

もう一人、強く印象に残ったのが、2試合目に登板した坂本慎太郎くん。
小柄な体格から繰り出されるスローカーブが、大阪桐蔭の強力打線を見事に翻弄した。
全身を使って投げ込む独特のフォームに、球場全体が一球ごとにどよめき、自然と視線が集まっていた。
また、先ほども触れたが、関東一高はこの日、左投手によるけん制で3度も一塁ランナーを刺した。
これはかなり大きな武器になる。けん制死は相手の流れを断ち切る、非常に価値の高いアウトだ。
見ている限り、日頃から相当練習しているのが伝わってきた。


野手陣では、3番・越後駿祐くんに一発が飛び出し、さらに足を使った攻撃で得点を重ねた。
長打あり、小技あり。多彩なバリエーションで得点を奪う姿は見事だった。
相手の守備の隙を突いて、二塁へタッチアップ成功。
貪欲に盗塁を仕掛けるなど、常に先の塁を狙う姿勢は、これぞ関一野球といえるだろう。

2試合ともに、両校の魅力が詰まった好ゲーム。
どちらも一点差という接戦は、さすが甲子園常連校同士の対決だった。
東京で大阪桐蔭を生で見られる機会はそう多くない。
まずは遠路はるばる来てくれた大阪桐蔭に、そして真っ向勝負を挑んだ関東一高に、心から感謝したい。
試合後はすぐにバスで大阪へ。
そして来週は富山でまた招待試合が待っている。
勝っても負けても、球児たちの挑戦は続く。
どうかケガなく、次の舞台でも全力を尽くしてほしい。
今日、江戸川で見た熱戦は、間違いなくこの夏へとつながっていく。

