【声劇】照らし照らされ輝くキミよ
☆人数:1人 もしくは2人
☆所要時間:約7分(約1000文字)
〜補足〜
「光」と「ボク」の会話です。
どちらも性別不問です。
「 」が光の言葉、ボクの言葉はそれ以外です。
声色を変えて演じても、読み聞かせのように大きく声色を変えなくても、お好きなように読んでいただければと思います。
「みーつけた!」
空から、声が聞こえた……気がした。
「少し眩しかったかな、ごめんね。」
光の射す方から、また声が聞こえた。
「つい、照らしたくなってしまったんだよ。
あんまりにもキミが悲しそうな顔をしていたから。」
その声は、ボクに向けて話し掛けているようで。
初めて聞くのに、なぜだか懐かしさを覚えるような、ずっと前から知っているような声色だった。
声の主は、話し続ける。
「せめて、キミの周りだけでも照らすことができたらさ、
ほら、心まで届くかは分からないけど、
物理的には温かくなるかなぁって。」
どうしてだろう。
声の主は、一生懸命ボクを励まそうとしているようだ。
ボクは、そんなに暗い顔をしているのだろうか。
「キミはさ、知らないと思うんだけどね。
ワタシはキミに憧れていたんだよ」
唐突な言葉に、ボクは驚きながら辺りをキョロキョロと見回した。
しかし、そこに人の気配はない。
「いつも自分のことを後回しにして、人の為にがんばっていること、すごいと思うんだ。」
…そうかな…
でも、本当に役に立てているのかな。
「目立たない所でも、コツコツ努力しているの、えらいと思うよ。」
それも、ちゃんと形になっているのかな。
「人が嫌がってやらないことを率先して引き受けるのもさ、なかなかできることじゃないと思うよ。」
感謝の言葉は最初だけ。
今じゃ、なあなあになってしまってるけど…
「ワタシは、どうやってもキミに勝てない!」
何も秀でた所もない、ボクなのに?
「ワタシは今、空からキミのことを照らしているけどね。
ずっとずっと見てきたんだ。
だから、ハッキリ断言するよ。」
「キミが周りの人を照らしてる優しさにも、眩しい笑顔にも、ワタシは全然及ばないって、そう思ってるんだ!」
ボクの…
ボクが、やってきたこと……
意味は、あるのかな。
誰かを心から笑顔に、してこられたのかな。
「ねえ、ワタシを照らしてよ。
いつもみたいな、素敵な笑顔を見せてよ。
ワタシ、キミにできることを精一杯がんばるから。」
…それじゃあさ。
お願いをひとつ、聞いてくれる?
がんばったねって、抱きしめてくれる?
「うん、うん。
たくさん、たくさん、がんばったね。」
光は、ボクを優しく包み込んでくれた。
そして、ボクの目から涙が流れて
こぼれた雫(しずく)は小川になって
川辺に色とりどりの花が咲き
そこには様々な生き物が集まって
ボクはどの子も愛おしいと微笑んで
そうしたら
ふわりと風が吹き抜けて
ボクはまた
此処(ここ)に立っていた。
『もう一度』
ボクは顔を上げる。
そして、光に届くよう空に向かって声を掛けた。
『ありがとう!』
そう、とびきりの笑顔で。
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