【短文朗読】綿雪が舞う夜に
☆人数:1人
☆所要時間:2分
外の風を吸い込むと
全身を透明にしてしまいそうな
冷えた空気が身体に入り込んできた
一瞬にして冷気が全身を駆け巡る
はあーっと息を吐き
反射的に
手を温めるのは
なぜだろう
周りのざわめきなど
素知らぬ顔の
夜空を見上げると
ふわりふわりと
雪が舞い始めていた
「やっぱり降ってきちゃったね」
後からやって来た
君が言う
私は
風に翻弄されるままの雪を見つめたまま
頷いた
とても とても寒い
いつもより少しだけ近くて
遠い君の気配を感じながら
ふわふわとした綿雪から
目が離せない
一歩動いてしまったら
きっと
帰らなくてはならないと分かっているから
もう少し
このままでいたいけれど
雪は
音を消していく
無意識に手を温めるのは
冷えた誰かを
温めたいから
なのかもしれない
いつか
君に想いを届けられる日が
やってきますようにと
祈るような気持ちで
てのひらの綿雪が
溶けるまで
永遠のように
見つめていた夜
イメージBGM
「氷晶と海」NEKOZOUさま
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