中学受験は本当に必要なのか。

首都圏で子育てをしていると、ある時期から急に空気が変わります。

まだ子どもが小さいのに、周囲の親たちが塾の話を始める。
どこの塾がいいらしい、何年生から入るべきらしい、あの学校が人気らしい。
気づけば、受験の話題が日常会話に入り込み、しかもそれがごく自然なものとして扱われるようになる。

最初は「ふーん、そんな世界があるんだ」くらいの距離感だった人も、だんだん無関係ではいられなくなります。
みんながやっている。
あの家庭も始めた。
隣の子も通い始めた。
このままだと、うちの子だけ何もしていないことになるのではないか。
今はまだ小さいけれど、出遅れたら取り返しがつかないのではないか。

そうやって、気づけば中学受験は「選択肢」ではなく「前提」のように見えてきます。

でも、私はこの流れに、ずっと違和感があります。

もちろん、中学受験そのものを全面否定したいわけではありません。
合う子もいる。
そのルートでしか得られない環境もある。
家庭の教育方針として合理的なケースもある。
だから「中学受験なんて絶対にやるな」とまでは言いません。

ただ、よく分からないまま、周囲に流されて参戦するのはやめたほうがいい
これについては、かなり強くそう思っています。

なぜなら、中学受験は軽いイベントではないからです。
塾代だけではない。
時間も、家庭の労力も、親の精神力も、子どもの自己肯定感も、全部まとめて投下するプロジェクトです。

そのうえで、あえてかなり率直に言います。

中学受験をして、ものすごいコストをかけて、最終的な進学先がMARCHレベルなら、本当にその投資は必要だったのか。

これはMARCHを下げる意図ではありません。
MARCHは立派な学歴です。
就職でも十分強い。
社会的にも高く評価される大学群です。

でも、「中学受験をしたこと」そのものの価値を考えるとき、
あるいは「小学生の数年間を塾漬けにしたこと」の意味を考えるとき、
「高校受験ルートや大学受験ルートでも十分届き得るライン」に着地するために、あれだけの負荷をかける必要が本当にあったのか、という問いは避けて通れません。

私はそこを、もっと冷静に考えるべきだと思っています。

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