人糞がなぜ臭いのかーNo.2
前回(No.1)は、人糞中の揮発性成分が、鼻腔中の受容体に結合して臭く感じるということを説明した。それでは、それらの成分の中で最も臭く感じる成分は何であるかをChatGPTに訊ねてみた。
結論から説明すると、「最も強い悪臭」を発する成分は、一般にメタンチオール(CH₃SH)であるとのことだ。
ただし、「強さ」の定義によって順位が多少入れ替わるため、評価軸を明確にしたうえで説明するとのことである。
うーむ、ChatGPT恐るべし。科学的な根拠に基づいて説明するのである。
1.評価基準:「悪臭の強さ」とは何か
臭気の強さは、主に次の2つで評価されるとのことである。
嗅覚閾値(しきいち)(どれだけ微量で感知できるか)
主観的不快度(どれだけ耐えがたいと感じるか)
2.糞便臭主要成分の比較
物質名: 嗅覚閾値(目安):臭いの特徴、総合評価
メタンチオール:約 0.0001 ppm: 腐敗・死臭・硫黄臭、最強クラス
硫化水素: 約 0.005 ppm: 腐卵臭、強いが慣れやすい
スカトール: 約 0.001 ppm: 糞特有・腐敗臭、不快度が非常に高い
インドール: 約 0.01 ppm: 動物臭・糞臭、中程度
アンモニア: 約 5 ppm: 刺激臭閾値が高く最弱
嗅覚閾値が小さいほど、微量でも臭く感じるということである。
メタンチオールの閾値は約0.0001ppm、アンモニアの閾値は約5ppmである。ということは、メタンチオールは、強烈な臭いがするアンモニアと比較して、5万分の1の空気中濃度でも臭く感じるということだろう。
3.なぜメタンチオールが最強なのか
1. 嗅覚閾値が極端に低い
メタンチオールは10億分の1レベル(注:閾値の10倍になっている)でも感知されるとのことである。要するに、空気中濃度の10億分の1でも人間の嗅覚で感じるということである。
これは人間が感知できる物質の中でも最下位クラスとのことだ。
2. 「腐敗」「死」を連想させる臭質
単なる刺激臭ではなく、本能的嫌悪を引き起こす臭質を持っているという説明である。
3. 他成分との相乗効果
メタンチオールは単独でも強烈だが、
硫化水素
スカトール類(注:インドールを含むのであろう)
と混ざることで、不快感が指数関数的に増幅するそうだ。なぜ指数関数的に増幅するのか分からないが、メタンチオールの臭さを、他の揮発性成分が補うように爆発的に臭くなるということであろう。
4.例外的な補足(重要)
スカトールは高濃度では強烈な悪臭だが、
極低濃度では花の香料として使われるという特殊な性質があるそうだ。硫化水素は高濃度になると嗅覚麻痺を起こし、「臭わなくなる」点で危険だそうだ。
硫化水素というと、無色無臭の気体で、自〇する際に使われることがあると聞いたことがある。
結論(簡潔)
嗅覚閾値・即時不快度・危険回避性を総合すると
👉 最も強烈な悪臭成分は「メタンチオール」
と評価するのが、化学・嗅覚生理学の両面で妥当ということである。
次回は、揮発性成分の化学構造について、ChatGPTに質問したことと、自分で調べたことを説明しようと思う。硫黄系化合物と芳香族化学物の相乗効果で、臭さが増幅するのである。
