見出し画像

【第15回】愛犬ティファニーの物語──ティファニーと私たちの日常の暮らし

今、私と娘はティファニーと一緒にリビングで寝ています。
夜中24時にお薬を飲ませたあと、私たち3人はそのままリビングで眠りにつきます。

通常、ティファニーは朝の4時から5時の間に起きます。
その間にも何度か目を覚まして、おしっこやうんちをします。

私と娘は協力しながら、カーテンを開け、仏壇の過去帳の日付をそっと変え、お水とお茶を新しく取り替えます。

父が突然亡くなって、2年。

ティファニーがいてくれたから乗り越えられた。。。

朝一番に仏壇に向かい、父が大好きだったカルピスを供え、父とご先祖さまに、そして先代犬マルチーズのファニーちゃんに「今日も家族を守ってください」と手を合わせるのが、私の一日の始まりです。

母の血圧計を用意し、記録ノートをテーブルに開き、体温計も並べお薬の準備をし洗濯機を回し、ティファニーの朝のお薬とご飯の支度を始めます。

ティファニーはその気配にすぐ気づき、興奮して「くるくる」と勢いよく回り始めます。
転倒したり、椅子にぶつかったりすることもあるので、娘がそばでしっかり見守ってくれています。

朝のお薬は10種類以上。
さつまいもペーストとささみペーストの2種類のどちらかで包みます。解凍して一つずつ丁寧に包む作業は時間がかかりますが、ティファニーは食いしん坊なので、ペロリとお利口に食べてくれます。

けれど、それまでの準備は、毎朝、少しの緊張です。

お薬が終わると、またご飯の時間。
再び「喜びの舞」と名付けた
くるくるが始まります。

ご飯は、喉に詰まらせてしまったことが何度もあり、呼吸困難になったことも。
だから今は2粒ずつ、私たちの手からゆっくりと食べさせています。
それでも詰まってしまうこともあるので、本当に毎回が緊張です。

ご飯を食べ終えても、ティファニーは「もっと食べたい」と要求してきます。
それが日課になってしまうと困るとわかってはいても、
吠え続けて発作の引き金になってしまったら……と思うと、無視することもできず。
正解のわからないまま、心が揺れます。

ティファニーを寝かしつけてから、ようやく私たちの朝ごはんです。

娘は出勤までの時間を、できる限りティファニーのそばで過ごしてくれています。

娘が出かけた後、母が2階から降りてくるので母の朝食を用意します。
トーストにマーマレード、冷ややっこ、りんごゼリー。血圧が低い時にはコーヒーも淹れます。

母は病院に通っていて、11時には家を出発。
その頃、夫が起きてきます。

ちょうどティファニーのお昼のお薬とご飯の時間なので、またくるくるが始まります。

夫はじっと黙ってティファニーの様子を見ているだけ。
その間にうんちやおしっこが出てしまうこともあり、動きの遅い夫を待つより私が全部やってしまうのが常です。(夫は愛でる担当なので)

けれど、ティファニーをいちばん落ち着かせて、すっと寝かせることができるのは、実は夫。
まるでマイナスイオンを発しているかのように、静かにそばにいるだけで、ティファニーは安心して目を閉じるのです。
「愛でる担当」には、ちゃんと特別な役割があるのだと思わされます。

ご飯を食べると、お昼寝の時間。
リビングで寝ることもあれば、以前のように私のベッドで寝ることもあります。

ティファニーは、発症前は私のベッドで毎晩一緒に寝ていました。


音も匂いも「刺激」になってしまう今

ティファニーは音や匂いにとても敏感なので、リビングでテレビをつけることはなくなりました。
料理の匂いも刺激になるため、家族は協力し合い別々で食事を取るようになりました。

ある日、娘がくれたラベンダーの香り付きホットアイマスクを使おうと袋を開けた瞬間、
ティファニーが激しく興奮し、見たこともないスピードでリビングを走り回り、発作のような症状が出てしまいました。

その後、救急で病院へ。そのまま入院となりました。
調べると「ラベンダーの香りがてんかん発作の引き金になる可能性がある」と知り、
それ以来、匂いには徹底的に気をつけるようにしています。

あの日を境に、家で料理をすることもずいぶん減りました。

ティファニーにとっては、キッチンからの音も匂いも大きな刺激になってしまうからです。

そんな私たちの生活を知って、ご近所の方がときどき手作りのおかずを届けてくださいます。
その一品に、どれだけ心が救われ、あたためられたかわかりません。

「ティファニーちゃん、今日もがんばってるね」 
「元気そうでよかった」と、庭に出ているティファニーを見つけて笑顔を向けてくれるご近所の皆さん。

そのやさしさに、何度も心を支えられています。

感謝でいっぱいです。


食事の時は涼しくした娘の部屋にティファニーを連れて行き、家族が交代で食べています。

夜は、以前のようにテレビを見たり、大声で笑い合ったり、明るい照明の中で賑やかに過ごす…そんな時間ではなくなりました。
けれど、ティファニーと家族みんなで静かに過ごす時間は、何よりも尊くて、かけがえのない幸せです。


それでも、愛おしい毎日

午後6時は夕ご飯とお薬の時間。
朝とは違う種類のペーストで、また10種類以上のお薬を包みます。

お薬もご飯もペロリと完食してくれます。

夏の今は、18時半〜19時頃にお散歩へ。

大好きなポメラニアンのりんちゃんのおじいちゃんと会えると、唯一、尻尾をブンブン振って喜びます。
そのおじいちゃんのあとをぴったりとついて歩くティファニーの姿は、本当に愛おしく、何度見ても感動で胸がいっぱいになります。

お散歩は15〜25分ほど。

帰宅後は呼吸が荒くなるので、冷たいアイス枕の上に乗ったり、酸素マスクを使ったりして身体を冷やしてあげます。

発症前のお散歩は1時間以上でした。
大好きな公園、大好きな高い場所で、のんびり風を感じながら過ごす時間が、私たちの日常でした。

たくさんの大好きなお友だちと、いっぱい走って、クンクンして、笑っていた毎日のお散歩。

今はもう、そんなふうにはいかないけれど

それでも、

一緒にお散歩に行ける奇跡。
自分の足で立って歩いてくれる奇跡。
一緒に風を感じられる奇跡。


ティファニー、本当にすごいよ。


夜は家族の食事の時間。

私がティファニーを置いて外出することができないので、食事の買い物はいつも娘がしてくれます。

仕事を終えて帰宅しても、ティファニーのお世話をし、家族のために買い物へ行ってくれる娘。
疲れているはずなのに、文句ひとつ言わず、黙々と動くその姿に、胸がいっぱいになります。
感謝の気持ちは、言葉ではとても言い尽くせません。

ティファニーは娘の部屋で休ませて、私たちは交代で食事を取り、交代でお風呂に入ります。


そしてまた、夜がめぐる

夜中12時には、最後のお薬の時間。

朝6時、昼12時、夕方6時、夜中12時──
1日4回のお薬が、私たちの生活リズムの中心です。

リビングは常に暗めに。音も匂いも最小限に。
できる限り、ティファニーのストレスになるものを排除する生活。

たくさん遊んだ日々も、今は遠くなりました。(いえ昨日のことの様に感じます)

でも、くるくると回ってでも転んでも歩こうとするティファニーの姿は、
私たちにとって奇跡であり、希望であり、日々の原動力です。

この何気ない日常が、どれほど大切で、かけがえのないものか──

一緒に過ごす時間が、いとおしくて、たまらなくて。

この静かな日常が、少しでも長く、そっと続いてくれますように──

それだけが、今の私たちの、いちばんの願いです。

ティファニー、今日もありがとう。

2025年8月5日(火)
ティファニー4歳9ヶ月と10日

いいなと思ったら応援しよう!

maltese_tiffany いつも見守ってくださり、 本当にありがとうございます。 いただいた温かい応援のお気持ちは、 ティファニーの治療費として 大切に使わせていただきます。

この記事が参加している募集