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小説『望月の烏』 八咫烏シリーズ 巻十 (第二部第四巻)第四章 松高~第六章 澄生 登場人物・ストーリー  <ねたばれ>

『望月の烏』 八咫烏シリーズ 巻十 (第二部第四巻)第四章 松高~第六章 澄生

(2024年2月22日 文藝春秋)

<あらすじ>

180万部異世界ファンタジー、第二部開始!

<シリーズ累計180万部突破>
「八咫烏シリーズ」新章スタート!

悪魔・博陸侯の後ろ盾のもとで、新たに異世界〈山内〉を統べる金烏代となった凪彦。
その后選びのため、南北東西の大貴族の家から選ばれた、四人の姫君たちが、宮中での〈登殿の儀〉へと臨む。しかし下級官吏として働く、絶世の美姫の存在が周囲を――。

<目次>

序章
第一章 俵之丞
第二章 桂の花
第三章 凪彦
第四章 松高
第五章 雪斎
第六章 澄生
終章

『望月の烏』 八咫烏シリーズ 巻十 (第二部第四巻)第四章 松高~第六章 澄生

<ストーリー>

第四章 松高

南家・蛍の義理の姉・撫子について語られた。
撫子の君は、1人で嵐の晩に明鏡院の元に訪れた。そして兵をあげよと言い募った。
長束は南家に連絡を取り、迎えに来させた。
こういう事件があったことを蛍が語った。 実際にはおかしくなったふりではあるのだが。

松高が協力し集めてきた聞き書きは、佳通の差し出した報告とは比べ物にならないほど詳細で、なおかつ凄惨なものであった。
これらを澄生が持ってきた。
綿花畑における所有者一家の横暴は現地では有名で、郷長と一家は癒着していた。
真の金烏・奈月彦が即位後、各所に抜き打ちの調査が入り、一度は郷長ともども処罰が下された。
奈月彦に死後、悪魔・雪斎により逆戻りした。
これに類似する例は、地方では枚挙にいとまがない。 踏みにじられた山烏たちの悲鳴が永遠につづられていた。
これらを見て見ぬふりをどうかなさらないで下さいと結ばれていた。
そして頼りない凪彦はどうか力を貸してくださいと澄生に協力を求めた。

第五章 雪斎

そして一線を越えたと判断した悪魔・雪斎が訪問してきた。
佳通が通報したのだ。
ここで誰も口をはさめない、悪魔・雪斎と真の女金烏・澄生との闘論が始まった。
専制を許された悪魔・雪斎により、暴虚の限りを尽くされたものがいると語った。
2人はたて板に水のようにしゃべり続ける。
民の意見の代弁者として認められたもの、その選出をうけていない悪魔・雪斎が民の代弁者を名乗ることがおこがましい。
百年前の真の金烏が山内と山神の扉を閉じてしまった事で、記憶が伝承されなかった。
結果的にそれが理由で山内は滅び行こうとしている。 当然女金烏・澄生が知る事実でも、凪彦は一切知らない。
真の金烏には代々、記憶が伝承されていく。 
それが途切れたのは、真の金烏・奈月彦のせいではなく、百年前の真の金烏の失策である。
悪魔・雪斎は私がやると言ってのけた。
凪彦にこれほどの闘論ができるほどの知識も度胸もない。

後ほど、書庫の中で澄生は俵之丞に語った。
悪魔・雪斎の施策はカスだと。 沈みゆく船のうえで船客をぶっ殺してその骨でいかだを造るようなものだと。
今の山内は貴族が貴族の責務を果たしていないと。
理不尽が許され、殺したもの勝ち、毒殺・闇討ちうまくやったもの勝ち。
今の山内はおかしいと。 悪魔・雪斎たちの私利私欲で形成されている。
仮に悪魔・雪斎の統治に不満を持って立ち上がるにしろ、馬にされるか、悪魔にとっての良い民で居続けるかの選択を迫られる。
俵乃丞は前者を選ぶものはいないと言う。
時が満ちた時、真の王が立ち上がったとき、民は一緒に立ち上がるのだろうか。
真の王と一緒に立ち上がるもの凪彦・長束たちが、この用意周到で切れ者の雪哉を打ち負かせるのであろうか、楽しみでもあり不安でもある。

その日、主に高位高官が出仕で使用する大門で小悪魔・治真と羽林天軍が待ち構えており、澄生が連れていかれた。
御前会議で普段なにも言わない金烏代が、野良絵で問題となった澄生をここに呼べと小悪魔・治真、悪魔・雪斎に迫った。

第六章 澄生

澄生が呼ばれ演説が始まった。
「ここにいるすべての官に申し上げます。たった今読み上げられた内容はわたくしが実際に現地で聞いてきた事実です」
「このたび取り上げた事案は、明鏡院から上訴として提出され、却下されています。しかし上訴自体、御前会議に一切協議されていない」
こうして私が逆賊として扱われるのは、納得がいかないと。
政を行うものが、理不尽を知って知らぬふりをする。 その怠慢こそが貴族の罪。
金烏代が、そなたの言い分は分かった。  諸管らも、おのが貴族たるゆえんを忘れることなく、よく務めよ。
で御前会議は終了した。

そして澄生は取り調べから解放されたが、正式な沙汰が下るまで出仕を禁じられ、西本家の朝宅で留め置かれた。

澄生の綺羅絵で取り上げらえた南領の綿花畑には中央から査察が入った。
綿花畑一家から多くの賄賂を受け取っていたのが蛍の生家であった。

悪魔の馬酔木が、澄生を側室にしてはどうかと言いだし、ばかな凪彦は一人で悪魔・雪斎の部屋に乗り込んだ。
2人きりになって、悪魔・雪斎はあろうことか上官の金烏代を足払いした。 本当の悪魔であり最低な八咫烏である。

あれは紫苑の宮だと言う。
「何を勘違いして落女になったかは知らんが、一歩間違えれば今の体制を脅かす存在になりかねん。
黙って側室に迎え入れろ。 飼い殺せばす来なくともあのものを殺さずに済む」
上官に命令などもってのほか。 とんだ勘違いをした愚か者である。  
宗家の血が濃ければ、真の金烏が生まれるかもしれんと。

その後、見張りがあとをつけて見守るなか明鏡院の大滝に、澄生は身をなげた。
凪彦は蛍から伝言を聞いた。
陛下に不満があるわけではない。と 生きていると。
澄生様の後ろには明鏡院がおられ、明鏡院と撫子は裏でつながっていると。
撫子はおかしくなったふりをしていただけ。そして撫子に共感した蛍も明鏡院に協力していると。
家の道具で終わるのは、撫子も蛍もまっぴらごめんだと。

澄生は俵乃丞にも、野良絵を造ろうとしているという告発を指定した時期まで待つように頼んでおいた。

・松高

落女・松韻(しょういん)と忍熊(おしくま)との子供。
忍熊は処刑されそうになった松韻を助けるため芝居をして鮎汲郷へ祐筆として左遷された。
しかし松韻は処刑されることを選び、忍熊は彼女が忍熊との間に宿し、産み落とした卵を受け取った。



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