あの「幻のSFギャグ小説」が遂に復活します!『ふぃり夫さんアドベンチャー』
『初出は投稿サイト「エブリスタ」でした』
【10年の時を経て、あの男がここ「note」で完全復活します!】
「作品開始に当たって、作者より一言」
長いあいだ眠っていた物語ですが、ようやく再起動します。
【あさ活】で見せていた彼は、ほんの一部。
この物語を通じて”本当のふぃり夫さん”を知って頂けたら、
作者としてこんなうれしい事はありません。
それでは「ふぃり夫さん」と一緒に、
抱腹絶倒&驚天動地のアドベンチャーに出発しましょう。
『ふぃり夫さんアドベンチャー』
作:ママンマフィン(旧名・トリケラ河井)
【第1話:アブダクション】
良く晴れた、ある日の事である。
『ハートフルショップ。家電の事なら有栖堂』をモットーとする
有栖堂家電店。
その従業員であるふぃり夫さんこと、小宮山友夫は今日もにこやかに
店先で営業活動を開始した。

ただし店のある狭い裏小路には通行人の姿もなく、一匹の三毛ネコを
相手にセールストークの練習を始めるふぃり夫さんであった。
「はい、いらっしゃいませ。お客様、何かお探し物でしょうか?
テレビ、エアコン、冷蔵庫。最新の家電がただ今セール期間中で、
大変お安くなっておりますよ!」
「にゃぁ~ん」
「お?オーブンレンジをお探しですか。はいはい。それでしたら今回、
こちらのマルチオーブンレンジが……」
いくらセールストークをしたところで、相手はただの猫である。
到底返答など帰って来る筈も無く、ネコはにゃぁーん!と一声鳴いた後、何処へともなく立ち去ってしまった。
「はぁぁ~。せめて行きずりの通行客でもいればなぁ」
がっくりと肩を落とし、それから店先に立て掛けてあった箒で掃き掃除をし始めた。
張りきって営業開始したふぃり夫さんのモチベーションは、ダダ下がり
だった。
やわらかい春の日差しと優しい風が、やる気の無さを助長する。
そして店先を掃きながら、ふぃり夫さんはふと空を見上げた。
「???」
何か、黒くて丸いものが宙に浮かんでいた。
「なんですかね、あれ?」
ひとり呟くふぃり夫さん。
やがてその黒くて丸い物が、どんどん大きくなっていった。
いや、それはこちらに向かって近づいて来ているのだ。
「う、うわっ!あいつ、こっちに向かって来ますよ……
ヤバいじゃないですか」
身の危険を感じたふぃり夫さんは、慌てて店の中に逃げ込もうとした。
が、その時!
ビュワァァーーン!
真っ黒い球体から突然ビームが発射されたかと思うと、あっという間に
ふぃり夫さんはその光線に捕まり、ふわふわと身体が宙に浮き始めたの
だった。
そして球体から発射された光線に捕まったふぃり夫さんの身体は、
どんどん上空に持ち上げられていった。
上空に持ち上げられ、もがくふぃり夫さんが目にした黒い球体。
それはUFOと言われる類の物体だった。
UFOの底辺部と思われる辺りからビームが発射されているのだ。
さらにその球体の底が突然開き始め、眩いばかりの別な光が溢れだして
来た。
「ま、眩しいですぅぅー!しかも私、このままあそこに?いぃぃーー
やぁぁーー!」
すっぽーーーん!
そしてふぃり夫さんは、真っ黒な球体UFOの中に吸い込まれて行った。
アブダクション。
世間でそう言われる事態に、ふぃり夫さんは遭遇したのであった。
果たして、さらわれたふぃり夫さんの運命やいかに?
彼は無事に帰還出来るのであろうか?
第2話に続く。
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