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つながりを求めて(塩むすび)|酒と肴 その六十八

ほとんど友人がいません。

「ボールはともだち」なんて口に出来ない運動音痴、体の友にはご縁がありません。だけど飯の友、白ごはんに合うおかずなら、たくさん知っています。

主なところは塩鮭、丸干しイカ、煮菜にのっぺ、神楽南蛮味噌あたり。こちらのおかずでピンと来た方は、新潟県にゆかりのある方とお見受けします。

両親とも越後長岡、農家の生まれ。

ですから子供の頃からコシヒカリと共に成長してきました。おかげで飯の友に恵まれ、つまりは酒の肴に囲まれて、気づけば立派なアルコール中年になったって訳です。

だからでしょうか。新米が出回る今の時期は、心がはやります。芸術もいいですが、腹が減ってはアートは見れぬ。まずは食欲から満たします。

そんな折、駅前の商店街に昔ながらの米屋を見つけました。店先には糠漬けの樽が並べられ、店内には各産地の様々なブランド米が籾の状態でずらり。30kgサイズの米袋を見るのも久しぶりです。

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一番目立つところにあった新米のコシヒカリを精米してもらい、糠漬け(大根、山芋、きゅうり、かぶ、みょうが)も買いました。途中には酒屋もありますので、実りの秋を言い訳に、この時期ならではのお酒も仕入れて帰ります。

さっそく新米で一杯と思いましたが、前日に炊いたお米が余っていたので我慢。この夜はまず、糠漬けとひやおろしで準備運動にとどめておくことに。


翌朝、新米の宴は炊飯器の温もりに癒されることから始まります。

炊いたら保温せずに盛りつける派。スイッチを切り、コンセントを外してテーブルに運んでいると、赤ちゃんを抱っこしているような気持ちになりました。お釜の蓋を開けるのが「いないいないばあっ!」だとしたら、しゃもじが「うーたん」に見えるから不思議です。食べる私は「パクパクさん」でしょう。

こんな風に、いくつになってもEテレを見てしまうのは、大人であることに疲れているからだと思います。

さて、休日とは言え、正月でもないのに朝酒は憚られます。小原庄助さんではありませんので、朝食はノンアルコールにしときます。
炊き立ての新米はそれだけで料理、主食であって主菜。玉ねぎと油揚げの味噌汁だけの一汁無菜、それでも2杯おかわりしました。

ようやく昼がきたので、握っておいた塩むすびと糠漬けを肴に一杯やります。合わせるお酒は、米づくりから醸造まで手掛ける泉橋酒造の秋とんぼ、秋の収穫を寿ぐのにぴったりです。

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塩むすびに糠漬け、お酒。どの組み合わせでも、全部を口に入れても、調和し、お互いの味わいを引き出すのは、すべて「お米」というつながり、ルーツを持っているからでしょう。

今から人間の友達が増えるかはわかりませんが、つながりの大切さを理解できました。一度、自分の食ルーツについて振り返ってみるのも、楽しいかも知れません。

メニューと材料
・塩むすび(米、塩)



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