M-1を愛しすぎてる漫才師たちの話(NON STYLE石田×令和ロマンくるま 対談動画の感想)
NON STYLE 石田さんのYouTubeチャンネルで公開された、石田さんと令和ロマン くるまさんの対談動画。
公開されたときから存在を知ってはいた。
2023のM-1以降、必死で令和ロマンを追いかけているわたし。
10年、いや15年近く前は必死でNON STYLEを追いかけていたオタクだったのでこの二人が接点を持って話すだけでもありがたいことなのに、それがしかもがっつり「お笑い」の話。
嬉しすぎて楽しみすぎて、これを見てしまったらこの先の未来に「まだ見ていない石田さんとくるまさんのコンテンツがある」状態ではなくなってしまうことが寂しくてもったいなくて、ずっとずっと「後で見る」リストに入れっぱなしにしていました。
そんな中、昨年秋にお二人それぞれが立て続けに書籍を出版する情報が解禁に。動画見るなら今しかない!!と思い、本を読む前の予習がてら動画を再生しました。
見るのも遅かった上にさらに遅れて感想ってあまりにも今さらすぎて、このタイミングでこの動画の話してるのこの世でわたしだけかも……。
石田さんの漫才フィジカル論
石田さんが無限大かなんかでやってた「渋谷漫才大学」というライブ──そこで聞いたという石田さんの漫才論、くるまさん結構影響を受けてるっぽくて。M-1優勝後の霜バラでもこの話してたのめっちゃ覚えてるし時々くるまさんの口から聞く。
マイクの位置を意識した動き、顔の向き、とかそういう細かなテクニック。
どうすればより伝わるか、その舞台で映えるか、を石田さんは考え尽くしてきていて、それにくるまさんは感銘を受けたらしい。
霜バラでくるまさんがこの話してたときのわたしはまだくるまさんのことをほとんど知らなかったので、石田さんのこういう教え(?)に影響を受けたって聞いてなんかちょっと意外に感じたんですよね。もっと尖った人かと思ってたので。
でもそれなりの期間令和ロマンを追いかけて、くるまさんのことをすこしずつ知ってきたタイミングで改めてこういう話を聞くとまた違った印象でした。
それにしてもくるまさんは学んだことを実践する能力がすごいな……。
石田さんはもちろんネタや脚本を書くことにも長けた人だと思うけどやっぱりこういうテクニカルなことを試し尽くしてきた人だと思うから、この二人が漫才の見せ方を話すのはめちゃくちゃ興味深かったし永遠に聴いていられる。そして勉強になる(わたしは漫才やらないけど……)。
しかし石田さんの膨大な経験値によるテクニックを年の離れた後輩に余すところなく伝えていくところ、めっちゃ石田さんだなーと思う。
くるまさんもそうなっていくのかなー。既にそういうところはあるもんね。
“NON STYLE”は井上さんの専門店
くるまさんがノンスタ漫才の面白みをするする言語化してくれるのが気持ちよくて気持ちよくて、ただただ気持ちいいだけの時間だった。
井上さんの存在そのものがもう面白いあの感じと、それを骨の髄まで味わい尽くす石田さんのネタ、本当に最高だよね。わかる。わかる~~~。
わたしの方がくるまさんより昔からノンスタの漫才を見てきたはずなのに、くるまさんから わたし達はノンスタのそういうとこを面白がっていたのか~って教えられた気がして悔しささえ感じる。
石田さんの漫才論はくるまさんに刺さってるっぽいけど、井上さんのキャラクターとかノンスタの漫才そのものはくるまさんの目にどう映っているんだろうっていうのは前から気になっていた。
ノンスタの漫才と令和ロマンの漫才って別にパターンとして似てるとかでもないし、くるまさんの言うように井上さんをA5ランクの肉だとするならば、令和ロマンはそういう高級素材ドーンタイプではないなと思っていたので。
近い発想、思考で漫才作ってるように見える石田さんが、実際作る成果物としてのネタは全然違うタイプっぽくて、それをどう感じてるんだろ……って。
でもよく考えたら、この動画に限らず色々なとこでのくるまさんの話を聞いてると、くるまさんって自分たちのネタとかお笑いのスタイルと全然違うタイプの芸人さんのことを面白がってることが多い感じがする!と後になって思った!!
「俺らが優勝するM-1は俺の大好きなM-1ではないから」
わたしから見ればNON STYLEも令和ロマンもどちらもそれぞれの時代においてわりとまっすぐM-1っぽい漫才をしていたように思うんですけど、見出しのくるまさんのセリフもしかり、その流れで石田さんが口にしていた「NON STYLEが優勝したことによってM-1を斜めに見る人が増えたら嫌やな」というセリフも、見事に彼ららしいな〜と思って笑ってしまった。
ポップなネタでも面白いものは面白いからその面白さを信じてほしいし、研究し尽くしてきたことを実践したらそのまま計算通りになることも努力の積み重ねがもたらした結果だし、M-1において評価されていい要素で間違いないのにな。
石田さんが今もめちゃくちゃネタを書き続けてノンスタが新ネタやり続けてくれていること、石田さんが「贖罪」って言葉を使うからウッとなってしまった。わたしはNON STYLEがずっと挑み続けてる姿を見てきていてそこに惚れているオタクだから、何とも言えない気持ち。
贖罪なんて言葉、本当は使ってほしくなんかないけど、わたしは石田さんが書くネタが好きだし、新しいことやり続けるノンスタがいつまでも好き。
「面白かったら笑えばいいし、そこで一歩踏み出させたい」
くるまさん、寄席(老若男女、お笑いファン以外もたくさんいる舞台)でも若いファンの子とかも多少は来てくれてるな〜っていうのが見て分かってて、その上で若めの世代、自分たちのファン層に刺すボケとかを敢えてちゃんとこっそり(?)入れているらしい。
具体的に「NGKでも、祇園でも」って言ってたけど、祇園花月通ってる身としては心当たりがありすぎるかも。わたしはいつも祇園の前のほうでめちゃくちゃ笑っています。
「入れたぞ今、どうする、ビビんなよ」ってシビれた。
くるまさんが「自分らよりちょい若めの感じを入れてる」って言ってたところからすると、彼らよりちょい年上のわたしにはそれなりに下の世代のワードになってきてたりするし実際にそうだなと思うことも多いんだけど、そこに彼らの美学というか「道」的なものを感じてわたしは好き。とても。
おばあになってもその世代世代の笑いを受け付けられる人間でありたいと思う。
あと、石田さんが令和ロマンのことを「お客さん捕まえるの上手い」と評していたのが嬉しかった。そうだよねー上手いよねー、わたしもそう思います。
あんなに競技漫才が得意みたいな顔して(実際得意なくせに)、寄席で掴む力もすごいから、最近ほんとに寄席も楽しいんだよね〜。
世代が違う二人だけど、間違いなくどちらもわたしが好きな漫才師で、お互いに本当に楽しそうにお笑いの話をしていたのが本当に嬉しかった。
動画内でも石田さんが「昔は真面目なやつって変な目で見られてた」みたいな話もしてたけど、これまで石田さんがめちゃくちゃ真面目にやってきたお笑いの話に、今こうして感銘を受けて慕ってくれている後輩がいて、そんな後輩と楽しそうにしている姿が本当に嬉しかった。
あとはくるまさんがNON STYLEの漫才を評価してくれているのも嬉しかった。
いや、令和ロマンから見たら先輩すぎるから「評価してくれている」というのはおかしな話ではあるんだけど、くるまさんから見て井上さんみたいな存在ってどんな感じに映ってるのかなって興味があったので、面白がってくれていることが分かって嬉しかった。
全感想の文末が「嬉しかった。」になってしまうくらいこの動画の存在が嬉しくて、宝物になった。
好きな人が好きな人と好きなものの話をしているところなんて、そりゃあ好きに決まってるんだよな。
この人たちが生きる時代のお笑いを目撃できていて良かったな。
この世代がよしもとのテッペン取るそのときまで、この国のお笑いを見つめていたいな。
M-1を愛するお笑いオタクには是非見てほしい動画です(もうとっくに見てるかもしれないけど)。
