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これからの子ども達の選択肢として知っておきたい「自主学習のすすめ」

皆さんご存じのとおり、年々日本の不登校の子どもは増加していて、我が家も含めて、所属しているHUC(母親アップデートコミュニティ)にも不登校のお子さんを持つメンバーが多数います。

そこで、何かこれからの手がかりがあるのではないかと思ってみんなで読み始めたこちらの本。

なんとありがたいことにこの本の訳者である近藤弥生子さんをお招きして、HUCで感想や今の不登校の現状をシェアする会が開催されましたので、今日はその時に出たお話やこの本を通して感じたことを書いてみたいと思います。


まず、なぜこの本に何か望みのようなものを感じたのかというと、訳者である弥生子さんの「はじめに」にこのようなことが書かれていたからです。

台湾にも「不登校」という言葉は存在するが、普段の会話では「自分の子どもは自主学習だよ!」など、「自主学習」という言葉を使うことが多い。
「自主学習」を経た後、社会に出て活躍している大人はギフテッドであるかどうかにかかわらずオードリー氏を筆頭に大勢いるので、全くネガティブな印象をともなわない。それどころか「前のデジタル大臣と同じだよね!」と誇らしげだったりもする。こうした社会の雰囲気も「子ども自身が自分らしさを感じ、幸せでいること」を大切にする保護者や教育者が増えている表れのように思う。

訳者 近藤弥生子さん 「はじめに」より


「通常の学校に通って教室で勉強をする」以外の選択肢を選ぶことについて、日本と大きく捉え方が違うんだなということに驚きました。

我が子にももっと彼に合った「自主学習」の方法があるんだろうか・・・

とワクワクしながら読み始めました。


ただ、冒頭から読み進めると、思ったよりも今の日本ではハードルが高いのでは?とも思いました。
まずここに書かれている自主学習の定義を抜き出してみます。

自主とは:覚醒した後の自己認識

物事に対する姿勢の面から言えば、自主とは一人の人間が自分の存在意義を認識し、自分の成長に責任を持つことができることを意味する

物事に対する反応の面から見ると、自主とは一人の人間が自分の特質を理解し、自分の強みと限界を受け入れ、自分がいる環境を理解し、自分自身と環境の間の最適な関わり合いを追求、実行、反省、修正するための知恵と勇気を意味する

学習とは:人が影響を受け、変化すること

自主学習とは:安心できる場所で、どのようにすれば自立して学習できるのかを学び、自分や他者を変化させられるよう環境をデザインすること

第一部 第一章「自主学習の大前提」から抜粋

今の日本でこれを実践できている人ってどのくらいいるんだろう?
今回の会では、まずコミュニティのメンバーの中でこの自主学習を実際に実践できているケースをシェアしてもらいました。


【自主学習の実践例】

例えば
・旅が好きで、自分で行き方を調べて切符を購入して旅をする。
・教科学習はオンライン学習ツールを使って学習する。探究学習としては、自分でYouTubeで調べて料理やお菓子作り、eスポーツなどをする。
・修学旅行や運動会への参加を自分で決める。競技には参加しなくても、準備を手伝うなど参加の仕方を工夫する。

などです。

ただ、やはりこれを実現するためには周りの理解やサポートが必要で、例えば引っ越して自治体が変われば同じ対応が受けられなかったりすることもあったそうです。

また、やはり親が全てをサポートするのは難しい中で、本人の「やりたい!」に寄り添ってくれる他の大人に出会えるかどうかも大きいなと思いました。


【子ども達の生きるエネルギーがそがれてしまう前に】

ただ、我が子の不登校初期に立ち返って考えると、そもそもこの「自分はこれがしたい!」と思えるエネルギーが無かったように思いました。表情も乏しく、癇癪を起こすことも多くて、親としても「とにかく生きていてくれたら」というフェーズで、とても「やりたいことを探そう」という状態ではなかったような気がします。

実際にメンバーの中にも、「行きたいのに行けない自分を責めていて、まだ傷ついている最中だ」というお子さんもおられて、

そうなる前に、「学校以外にも選択肢がある」ということを知っていたら、もう少し違っていたのではないかという意見もありました。


今となっては私もそう思いますが、当初はとにかく「何とかまた学校に(教室に)行けるように」ということしか考えていなかったような気がして、その親の思いは今でも息子の中に負の感情として根強く残っているようで本当に反省しています。戻れるなら関わり方を変えてやり直したい。

なので、まずは学校に通うのが当たり前な価値観で育ってきた私達世代が、

「学校に行かなくてもいろいろ道がある。この子に合うのはなんだろう。」と思えることがとても大切だと感じました。


と言いつつも、本当に選択肢が少ないし、何か選ぼうとするとお金がかかるものも多い。息子も一時オンラインフリースクールに参加していたけれど、月額利用料が結構な値段で、本人のモチベーションの割に家計への負担が大きくて数ヶ月で辞めてしまったこともありました。


弥生子さんのお話によると、台湾では本当に選択肢がたくさんあるようで、オルタナティブスクールも数多くあるし、この自主学習のやり方も様々な形を学校に交渉することができるそうです。

子ども達がパワーをどん底まで削られてしまう前に選べるものがたくさんあることが大切、というお話がとても印象的でした。

だから、「自主学習」は決して不登校のお子さんだけではなく、あらゆるお子さんの選択肢としてあっていいものなんですよね。


【増えてきている校内フリースペース】

また、学校には通うけれど教室にはなかなか行きづらい子のために校内フリースペースを設置している自治体も増えているようで、実際にそこで支援員として勤務しているメンバーもいました。

そしてうちの子はまさに今はその「校内フリースペース」に数時間(主に午後から)通って部活に参加する、という生活に落ち着いていますが、そのフリースペースでやっていることは本当に本人たちに任されているようで、息子は本を読んだり学校や塾の課題に取り組んだりしているようです。

他の生徒さん達も各自問題集などをやっている子が多いようで、まあ一応「自分で決めて」何かをやっていることにはなるのかもしれないけれど、

でもそれは、この本に書かれている「自主学習」とはかなり違うような気がしています。


本の中で印象的だったことの一つがこちら。

選ぶ道は違っても、子ども達は自分に誠実で、他者に寛容で、世界の苦しみを感じながらも未来を信じることができています。彼らは、成功が一つひとつの努力の積み重ねによるものであること、そして、互いの協力により得られるパワーは、個人のパワーよりも大きいということを知っています。そしてもっと大切なことは、彼らが実践しようという意欲と勇気を持ち合わせていて、探究しながら修正するという習慣と能力をも備えているということです。

第一部 第一章「自主学習の大前提」より


ここに書かれている真の「自主学習」を実践すれば、子ども達はこう育つ。

今の校内フリースペースでは、その日やることは確かに自分で決めてはいるけれど、それ以上の何かをサポートする機能はないのではないか。

実際に、一応その場に大人は配置されているけれど、「ただ誰かいなければいけないからいるだけ」という現場も多いようです。だから、まだまだ個々の先生方の熱意や知識、スキルによって左右されるという現状なのではないでしょうか。

そのため、たとえ自分でその日に何を学ぶかを決められたとしても、今の日本で通常の学校や教室に通っていない子ども達は、引用した中にあるような台湾の子ども達と違って、

「大多数の子ども達ができていることから外れている自分」に劣等感を感じ、自己肯定感が低く、とてもじゃないけれど自分や周りに寛容になれるような状態の子は少ないような気がします。(何か根拠となるデータがあるわけではなくあくまで主観ですが。)


【まとめ:まず大人がアップデートを!】

この本や弥生子さんのお話を通して、自主学習を含めた様々な選択肢があることで、子ども達は自分らしく生きられることができるし、オードリー氏のように社会で活躍する大人もたくさんいることがわかりました。

一方で今の日本の現状を知ると、まだまだ程遠いなと悲しくなったりもするのですが、

そこにはやはり「学校(教室)で一律に勉強することを最終的なゴールとする」「それが真っ当に生きる道!」という大人の価値観が根強い気がしています。


子どもの自由にさせるととっ散らかるというか、今ある枠にはめることに精いっぱいで、その子その子の「これをしたい!」にうまく寄り添ってサポートできる大人が少ないんだろうと思います。

そしてそれは力量が無いというよりは、余裕が無かったり、やり方を知らなかったり、そもそもそういう教育の在り方にまで考えが及んでいなかったりするのではないかなと。

でもきっとこういう先進事例を知ることで、考え方が変わったり視野が広がる人もいると思うし、「実はそういうことがやりたかったんだ!」と気づく大人も多いのではないかなと思います。

実際に日本にもオルタナティブスクールを作ったりするような活動を始めている人も増えてきているしね。


だからこそ、ぜひ多くの人にこの本を読んでほしい。保護者も教育者も、子ども達に関わる全ての大人達にぜひ。


そして、弥生子さんは今後も台湾の様々な情報を発信し続けてくださるそうです。実は私は弥生子さんのvoicyのプレミアムリスナーにもなっています。


この自主学習についてだけでなく、ジェンダー平等も進んでいるし、世界初の月経博物館もある台湾。このチャンネルではそんな話題をたくさん発信してくださるので、いつもとても興味深く拝聴しています。(時々出演してくださる台湾人夫さんとの関係性もまた素敵!)

どのトピックも、包括的教育とも密接に絡んでいると日々感じているので、今後もそのご発信から学ばせていただきたいです。


弥生子さん、この度は、素敵なご著書、そして私達のために素敵な時間を本当にありがとうございました。

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